山井和則国会対策委員長代理は6日、定例記者会見を開いた。

 同日朝、山井代理は自民党の小此木国対委員長代理を通じて、4月20日に党首討論を行うよう申し入れた。党首討論の狙いについて山井代理は「民進党という新たな党として、消費増税先送り、安保法制廃止法案の審議拒否、待機児童問題に関する法案の審議拒否、TPP情報を開示しようとしないなど、政府の隠す、ばらまく、逃げるという姿勢をしっかり議論する必要がある」などと語った。

 TPP協定の承認とTPP関連法案は、6日に衆院TPP特別委員会で政府から趣旨説明を聞く予定になっている。これに関連して、党「TPP交渉過程解明チーム」(以下「解明チーム」)では政府に対し、連日、甘利前大臣とフロマン代表の交渉経過についての資料提供を求めてきたが、5日の民進・自民国対委員長会談を経て、同日夜、政府側から黒塗りの資料が提示された。

 しかし、山井代理はこれについて、「『黒塗り』ではなく真っ黒だ。国民をばかにするにもほどがある。これでどうやって審議をしろと言うのか。農家、畜産業、国民の皆さんに対して『これが資料です』と言って、何が分かるのか。あまりにも不誠実すぎる」と抗議した。山井代理によると、今朝の小此木国対委員長代理への申し入れの際、小此木代理もこの黒塗り資料について「初めて見た。これはひどい」と応じたという。

 また、山井代理は、5日の「解明チーム」で「『黒塗りであっても資料は出せない』というのが政治家の最終判断」といった旨の発言をした自民党の高鳥担当副大臣に対し、夜になって黒塗り資料を提示することになった経緯について説明を求めるべく、同日夜の「解明チーム」への出席を求めたが出席を得られなかったとして、6日の「解明チーム」であらめて釈明を求めるとした。山井代理はこうした政府の姿勢について、「政府側に審議をする気がないのではないか。あまりにも失礼な話だ」と憤慨した。

 こうした状況の中、本日午前中の衆院TPP特別委員会は開かれず、なお与野党での協議が続いている。

 山井代理はまた、党内に「年金損失5兆円追及チーム」を立ち上げたことを明らかにした。山井代理によると、安倍政権で年金資金の株式投資比率を引き上げたことにより、昨年度は5兆円の赤字になったと言われており、仮に株式比率を引き上げなければ運用損はゼロだったという試算もあるという。政府はこうした前年度の年金運用実績を、従来は6月末~7月上旬に公表しているにもかかわらず、今年に限って7月29日に公表するとしている。こうした政府の姿勢について山井代理は「参院選後に先送りしたのは明らかだ。これは第2の消えた年金問題と言ってもいい、年金損失隠しだ。TPP交渉の資料を隠し、甘利前大臣を隠し、年金損失を隠し、国民に背を向ける安倍政権とは徹底的に戦っていく」と力を込めた。