安住淳国会対策委員長は22日、定例記者会見を開き、記者団の質問に答えた。

 同日の衆院本会議では、衆院選挙制度改革について、民進党が提出した「衆院選挙区画定審議会設置法・公選法改正案」と、自民党・公明党が提出した「衆院選挙区画定審議会設置法・公選法改正案」の趣旨説明と質疑が行われる。

 記者団から衆院選挙制度改革での民進党の立場や今後の国会運営ついての意気込みをあらためて問われた安住代理は「できるだけ1票の格差を是正するために、早急にアダムズ方式を導入して対応すべきだ。国勢調査は10年に1回だから、2010年の調査で今やって、20年の調査で見直すというのが本筋だと思う。それを堂々と訴えて論戦したい」と応じた。

 関連して、自民・公明案の「0増6減案」の評価としては、「それが、分かりやすくて誰もが理解するルールなのかどうか。10年から導入しないと19年までの選挙制度は1票の投票価値の平等を担保できるかどうか疑問が残るし、20年に区割りを見直すというのでは二重にエネルギーがかかる」「0増6減案は、人口最少の選挙区と2倍を超えない程度に調整するとすると、東京都の25選挙区はすべて選挙区を移したり飛び地を作ったりと、相当なエネルギーのいる作業になる。そういう点で、無理のある案だと思っている」などと述べた。

 一方、熊本地震の現地対策本部長だった松本文明内閣府副大臣が差し入れを要求し、その後、同対策本部長を交代したことについて見解を問われ、「経験のない人を現地対策本部長に送って、結果的に被災者や熊本県に迷惑をかけただけだと思う。そういう人間を派遣した人選ミスだ」「被災地に派遣するときは地元をよく分かっていて、地元の皆さんも『この人なら』という人を派遣すべき。まして震災や危機対応の経験のない議員が行っても簡単ではない。最初の1週間は重要なのに、その時のことを批判されること自体、情けない」と苦言を呈した。

 また、おおさか維新の会の所属議員が国会質問中に民進党議員に対して暴言を吐いたことについては「この議員は再三そういうことをやっている。おおさか維新の会が、そういう言動をどう判断するのか。『申し訳ない』と思うのか『当たり前だ』と思うのか。その判断を待ちたい」とした上で、「それはそれとして、常識的な対応をされたほうがいいのでは」と述べた。おおさか維新の会では、片山虎之助共同代表が熊本地震について自身の不適切な発言を撤回したばかり。「このところの言動は目に余る。『常識のない政党だ』と思われるのは損なのでは」と不快感を見せた。