岡田克也代表は30日、長崎県を訪れ、佐世保市島瀬公園前アーケードで西岡秀子参院選長崎選挙区候補予定者、宮島大典同県第4区総支部長らとともに街頭演説会を開いた。会場の一角では党長崎県連が熊本地震緊急救援募金活動も行った。
岡田代表は熊本を中心に発生した地震について、「私も現地を訪れたが、避難所では文字通りすし詰めの状態で生活しておられる。一刻も早く何とかしなければならない。被災地支援では与党も野党もない」と述べ、連休明けに国会に提出される見通しの補正予算について、時間をかけずにしっかりと中身を精査して、予算の伴った被災地支援につながるよう迅速な対応を行っていく考えを表明した。
東日本大震災の際に与党民主党の幹事長として、当時の西岡武夫参院議長と被災地復興に向けて連携して取り組んできたことを振り返り、西岡氏の娘である西岡秀子が秘書として豊富な経験を持っており、その蓄積は国政にも大きな力となると語り、期待を寄せた。
民進党の結党について、「国民の皆さんの声に耳を傾け、国民の皆さんとともに進む」という基本姿勢を強調。「もう一回、自民党に代わる政権政党を目指していく。二つの勢力が競いあうなかで国民の方を向いた、いい政治が生まれる。それを目指すのが私の信念だ」と述べ、(1)平和憲法のもとで70年間貫いてきた日本の平和主義を堅持する(2)アベノミクスはもう行き詰まっており、中間層の厚みを増す政策で経済を立て直す――などと訴えた。
西岡候補予定者は、「このまま安倍政権に政治を任せるわけにはいかないという強い思いから、微力ではあるが立候補を決意した」と表明。アベノミクス、1億総活躍社会といった言葉は躍っているがその恩恵は大都市部や一部の富裕層にだけ届き、地方には何の恩恵ももたらされていないと指摘し、「いつまでこんな状況を政治は放置しておくのか。すべての皆さんにとって生きやすい社会を作って行かなければいけない」「1国民、1県民、1女性としての立場で『私心』のない政治に真摯(しんし)に取り組む」と力説した。
地元を代表してマイクを握った宮島総支部長は、3月27日に民進党がスタートしたことについて、「国民の意思を無視し、国会審議をないがしろにしている安倍自公政権に対し、野党の力を結集し、暴走を止めていく。国民の声を大事にする政治の原点に戻していくための動き出した」と説明。民進党を軸に政権交代可能な仕組みをつくっていくことの重要性を訴え、西岡秀子さんへの支援を求めた。
吉村社民党県連代表は「社民党も他の野党もいっしょになって西岡さんを応援していく。何を考えての決断かと言えば安倍政権の暴走を止めさせるためだ。アベノミクスでいい結果が出せていないばかりか格差が広がっている日本の現状を打破するためだ」と訴えた。
■ぶらさがり記者会見
岡田代表は長崎市での街頭演説会を終えて記者の質問に答えた。
被爆地・長崎での参院選の争点をどう見るか問われ、安倍総理がテレビ等で憲法9条の改憲に取り組みたい意向を示したことに対して自民党内には争点化することを隠したい動きがある点について、「どうも周りは憲法改正は争点でないとか、9条は争点でないというようなことも言われるが、総理自身はやる気満々だ。狙いは限定なき集団的自衛権の行使であることは間違いない。これは国のありようが変わる話だ。普通の国になるというか、海外で必要に応じて武力行使できる国にする、私はそれは間違っていると思う」「私自身は憲法を変えてはいけないとは思わない。必要があれば議論すればいい。しかし安倍総理の下で憲法を議論するのは非常にリスクがある。今の憲法そのものを『GHQの素人がたった8日間でつくり上げた代物』と発言するような憲法観の持ち主が憲法改正を議論するのは非常に危ないと思っている」などと話した。