枝野幹事長は17日、定例記者会見を国会内で開いた。

 冒頭、枝野幹事長は、16日に衆院、17日に参院で補正予算の審議が行われていることに触れ、今回の補正予算について「9割が予備費というのはいかがなものかと感じている」と述べた。またこうした異例の内容であるにもかかわらず補正予算に賛成したことについては、「異例ではあるが、被災地の復旧・復興を考えて本日成立させることで合意した。野党が協力したことは政府も重く受け止めて、通常の予算以上に留意することを求めていきたい」と苦言を呈した。

 16日の衆院予算委員会で山尾志桜里政調会長が安倍総理に対して「男尊女卑政権」と批判したことを取り上げて、「男尊女卑の意識が強い方は、何が男尊女卑か分からないのが問題」と述べ、「一般的に男尊女卑の人ほど男尊女卑と言われると激しく怒る、まさに安倍総理はそのパターンにはまっている。いまだになぜ言われたのか分かっていないのでは」と安倍総理の振る舞いを批判した。さらに最近の安倍総理が、民主党政権批判以外に言い訳ができなくなっているのが現状であると述べたうえで、「自分たちの成果や論理的な問いに対する答えを答えられなくなって、叫ぶのは民主党政権時代への批判。安倍内閣も民主党政権と同じ3年3カ月が経過して『それに対して出した結果は?』という問いに対して民主党政権批判を蒸し返すのは、就任1年時のときから時計が動いていない。経済の総合評価は実質GDPの成長率。安倍政権になって(実質GDP成長率は)半分に落ちているのが事実」と切り捨てた。

 自民党の稲田朋美政調会長が岡田代表を批判している件については、「あまりにレベルの低いやり方。ねじ曲げて都合のいいことを言っている。情けない」と意に介さなかった。

 18日の党首討論で期待することは何かという記者からの質問に対しては、「急に安倍総理が変わるとは思っていないが、質問に正面から答えてもらいたい。聞かれてもいないことをしゃべらないでもらいたい」と語気を荒げた。

 東京五輪誘致の金銭疑惑について、イギリスでの報道では電通の子会社が関わっているとはっきり書いている件について見解を求められると「電通が知らぬ存ぜぬと常識から外れたことを言っている。場合によっては電通に国会に参考人として来ていただく話だ」と述べた。

 舛添都知事の政治資金収支報告をめぐる問題について受け止めを問われると、「自民党の谷垣幹事長が他人事のように『居住まいを正さなければ』と言っていたが、舛添都知事は自民党推薦で都知事になったばかり。谷垣幹事長の姿勢を疑問視する」と批判した。

 社民党の吉田党首が「民進党との合流も選択肢と」述べていることについての受け止めを求められると、「政党と政党が一緒になる話は合流する前も直後もすごいエネルギーが必要だし、民進党のプロセスを見ればわかる。議論について、まずは社民党のなかで整理していただきたい」と述べた。

 また、香川選挙区で共産党の候補を統一候補としてほしいと共産党の小池晃書記局長が発言したことについて今後の調整の見通しを問われると「国民の期待に応えて1人区は1本化する努力をしており、できればすべての1人区で1本化するべきだが、基本的には地元の調整に委ねている。地域事情に応じて調整を待ちたい」と述べた。