枝野幹事長は25日、元米海兵隊員で軍属の男が逮捕された女性遺体遺棄事件現場の恩納村安富祖を訪れて花を手向け、手を合わせた。午後には浦添市の米国総領事館でジュエル・エレンライク総領事と面談、今回の事件への抗議と再発防止の要請とともに「沖縄県民の思いを深刻に受け止めてほしい」と求めた。沖縄県連代表の花城正樹那覇市議が同行した。
面談後に記者団の取材に応じた枝野幹事長は、「私からは今回特に、『現地で沖縄県民の皆さんと向かい合う米国の代表者として重く受け止めて、県民の皆さんの思い、声に寄り添った対応をしていただきたい。そうでないと、日米関係そのものにも大変重大な悪影響を及ぼしかねない。それくらい深刻に受け止めてほしい』という趣旨のことを申し上げた。総領事は、今回の件の重大さについて、亡くなられた方やご遺族はもとより、県民の抱える思いを『すべて同じように理解できているわけではないと思うが』という言葉をつけられていたが、立場としては十分認識いただいていると感じた。そのことを東京の大使館やワシントンにしっかりと理解できるように伝えてほしいと申し上げた」と述べた。具体的には、「今回の事件が直接日米地位協定とどう関係するかという話はいろいろあるが、長年にわたり地位協定がまったく改定されていない、地位協定について改定を含めて議論自体が塞がれているという日米間の関係性自体が沖縄の皆さんにとっては基地の多大な負担に加えて大変な苛立ちと不安、怒りの原因になっているのではないか。そうした認識を総領事にお伝えし、米国側としてもその思いを共有していただきたいと申し上げた」とコメント。「改定自体をいつどうやって実現できるかということは相手があることであり、簡単でないことは分かっているし無責任なことを言うべきではないと思っているが、少なくともそこに向けた努力を進めている姿勢は最低限示さないと、沖縄の皆さんの声に応えることにはならない。残念ながら安倍政権になってからその姿勢自体が完全に後ろ向きになっているし、今回の事件を受けてもその姿勢が変わっていないことは厳しく指摘をせざるを得ない」としたうえで、「日本側が協議を求めた際には話をする余地はあるということはしっかりと米国側として示してほしい」との旨要請したところ、総領事は「貴重な提案として東京やワシントンにも伝える」と応じたと述べた。