岡田克也代表は26日、三重県内での街頭演説の後、記者団からの質問に答えた。主なやり取りは以下のとおり。

 問 三重選挙区について、両党にとってどういった位置づけか。
 答 自民党がどう思っているかわからないのでコメントはしない。芝さんはなくてはならない存在。

 問 先ほどの(三重県内の別の場所での)集会で芝候補が落選したら代表の資格はないと言った意図は。
 答 そのとおり。芝さんを落とすようでは代表の資格はない。

 問 前回五分五分と言っていた三重選挙区の戦況の分析は。
 答 五分五分。横一線。向こうも必死で人も資金も大量に動員している。知事も動かしてやっている。それを跳ね返すだけの県民の良識を期待したい。

 問 三重県知事は(自民党候補の)山本さんの応援に入った。知事の動きについて受け止めを。
 答 動きを見ていると今までの三重県知事になかった行動。公人としての知事の範囲を逸脱して自らの主義に基づくというか野心がおありだと思うが、野心を遂げるために公人としての地位の立場を逸脱していると思う。県民の皆さんは分かっているので、県民の皆さんの判断に委ねる。

 問 社会保障について。消費増税の延期で安倍総理は従来実施する予定の社会保障政策について、具体的に何をやって何ができないかを明言していない。その点、3党合意の理念がないがしろにされているのではという指摘があるが、岡田代表の受け止めを。
 答 3党合意の理念はともかく、安倍さんの話を聞いていると、低年金者に対する給付金最高年額6万円。もう一つは介護保険料の軽減措置。この二つが財源としてかなりかかる。3党で合意している。本来なら来年4月から実施するはずだが、これを先送りする。そのことを明言していないが、ほぼはっきり言っている。自らの経済失政で消費税を上げる状況にもっていくのに失敗した。にもかかわらず、とばっちりみたいに4月からできませんというのはまったくおかしな話だと思う。合わせて、景気対策で5兆とか10兆とか話が出てきている。財源をどうするかわからないが、そういうお金があるのであれば2年間で最大3兆円だから。その後、消費税が上がれば必要なくなるわけなので、2年間で3兆円のお金、5兆とか10兆の景気対策やるならそういう景気対策をやるべき。ばらまきとか公共事業ではなく、仕組みとしてしっかりしたものをつくって底上げする。これこそが景気対策じゃないかと考えている。

 問 三重選挙区の情勢が五分五分の中で、このタイミングで辞任ラインを言った理由を
 答 この三重県で芝さんは盟友だから。彼が落選する選挙をやって代表をやる資格はないと思っている。

 問 三重選挙区の情勢としては、(朝日新聞の調査で)芝さんやや有利の見方があるけれども、野党共闘が成立して以降の雰囲気とか手ごたえはどう受け止めているか。
 答 個々の調査にはコメントしない。ただ、一本化ができて市民、各政党が協力して芝さんを推していただく。そういう形ができたことはありがたいこと。それでより分かりやすくなった。自民党は慌てて知事の野心に乗じて、知事の公人としての範囲を超えるようなことをさせている異常な状況。県民のみなさんが常識の判断をされる。

 問 芝さんが落選した場合に代表の資格はないと言ったのは、代表を辞めるということか、選挙に対する意気込みで言ったのか。
 答 次の代表選挙には出ないということ。

 問 あらためて自身の選挙区で民進党の候補が苦戦するということを重く受け止めたということだと思うが、なぜ三重県で進退を賭しての勝負をされるのか。
 答 ずっと一緒にやってきた。この三重県で。右腕というか同志。この三重県は特別。3年前に高橋さん(高橋千秋元外務副大臣)を落としたのは悔やんでいる。芝さんまでとなると代表の資格はないと素直に思っている。

 問 今朝のテレビ番組で稲田政調会長がEUの問題について、安倍総理が言っていた世界経済のリスクが現実化した形だといった。この点について受け止めを。
 答 それで消費税の引き上げを先送りしたというなら今日まで発表を待てば良かった。結果が出ることが分かっているなら、なぜあのタイミングで先延ばししたのかまったく説明できない。おそらく英国における投票結果について楽観的だったんじゃないか。そうでなければ総理も官房長官も経済産業大臣も外務大臣も選挙の応援で東京にいないというのは理解できないこと。財務大臣しかいなかった。何が起こるかわからないわけだから、金融危機が一挙に押し寄せるかもしれない。単に株が下がるだけでなく、市場がパニックになるかもしれない。いろいろなことが想定される中で、選挙運動に主要閣僚が走り回っている感覚が理解できない。国を守る国民を守る気概があるのかと思う。