枝野幸男幹事長は26日昼、民進党公認で共産、社民両党推薦の野党統一候補の杉尾ひでや候補者の応援のため長野県入り。JR松本駅前の街頭演説会で、「市民の皆さんの力で杉尾さんを国会に送っていただき、安倍政治の暴走を止めよう」などと訴えた。街頭演説会には総合選対本部長を務める羽田雄一郎参院議員、中山千弘連合長野会長をはじめ、共産、社民両党の自治体議員、市民連合のメンバーらが参加、下条みつ元衆院議員が司会進行を務めた。

枝野幸男幹事長

枝野幹事長

 枝野幹事長は、暴走する安倍政治に対し「まずは経済政策を転換させよう。為替や株など世界の事情によって影響を受けるものに頼った経済運営では、不安定で仕方がない。日本の国内でしっかりとお金が回っていく、日本の国内の経済運営によってしっかりとした政治をさせていくことこそが本筋だ」と主張。「雇用の安定」「子育て支援の充実」「老後の安心」を柱とする民進党の経済政策を説き、「普通の人がしっかりと豊かになれる経済に変えていこう」と呼びかけた。

 憲法改正をめぐっては、自民党の憲法改正草案に対し「自衛隊を軍隊にして地球の裏側まで行って自由に戦争をできる国にするもの。表現の自由、職業選択の自由などさまざまな基本的人権を一時の権力で制約できるようにするものだ」と批判。「明治憲法よりも時代錯誤な素案を出して、そのことは選挙中何も語らずに選挙後には憲法改正の作業を進めるという。こんな無責任な人たちに本当に憲法を触らせていいのか。彼らは口を開けば『対案』『対案』だと言うが、あんなにひどい改正案を出されたら、今の憲法の方がずっといいではないか。現行憲法こそがわれわれの堂々たる対案だ」と訴えた。

 最後に、「今回の参院選挙は本当に大事な戦いだ。政治の主役は、政党でも政治家でも候補者でもなく市民の皆さんだ。皆さんの力で杉尾さんを国会に送っていただき、安倍政治の暴走を止めよう」と杉尾候補へのさらなる支援を呼びかけた。

杉尾ひでや候補

杉尾候補

 杉尾候補は、「歴史的な今回の野党共闘を実現させた主役は、市民の皆さん一人ひとり。皆さんが主役だ。市民の皆さんの熱い思い、強い思い、『今の政治を何とか変えてほしい』『安倍政権を倒してほしい』『平和な日本を残してほしい』という心からの叫びが今回の歴史的な共闘を後押しした」と野党共闘の意義を説き、感謝の意を述べた。

 そのうえで、「今回の参院選挙は、安倍政権そのものが争点だ」と強調。「日本を戦争のできる国にしてしまった安全保障法制。違憲の疑いが強い法律を放置しておくわけにはいかない。その先には憲法改正問題があり、最終ゴールは憲法9条の改正だ。自民党憲法改正草案は一言で言えば国家主義、本来憲法は権力者を縛るものであるにもかかわらず国民を縛るためのものだ。そういう形で憲法を改正しようとしている勢力に3分の2を渡していいと思うか」「かつての特攻作戦のような、国のために死んでくれと国家がいう国に戻していいと思うか。私たちは絶対あの時代には後戻りしない、もう繰り返さないという真剣な、真摯(しんし)な反省の上に今の日本国憲法、この71年間の平和国家としての歩みがあるのではないか。それを書き換えようとしている勢力に負けるわけにはいかない」と強く訴えた。

 アベノミクスやTPPについても、「強い者をより強くする、富める者をより豊かにするのがアベノミクス、安倍政治の本質だ」「TPPでも『地方創生』と言いながら、地方が置いてきぼりにされている」などと批判。「弱い立場の人たちが置き去りにされている政治を許すことは絶対できない。われわれが目指しているのは、誰一人置いてきぼりにしない、弱い立場の人たちのための政治だ」と力を込めた。

 「政治を変えなければいけない。安倍政権を変えるために、安倍政治を倒すために、もう一度政権交代を起こすために今度の参院選挙ほど重要な選挙はない。私は残りの人生すべてを信州長野県、松本市、日本の国の皆さんのために捧げたい」と決意を表明。「安倍政治にノーを突きつけよう。7月10日まで、アメリカンフットボールで培った体力で走って走って走り抜ける。どうかそんな私に力を貸してほしい。国会に送り出してほしい」と支援を呼びかけた。

市民連合の皆さんと記念撮影

だまってられないちゃんのイラスト入りのプラカードを掲げて市民連合の皆さんと記念撮影