岡田克也代表は28日午後、遊説先の新潟県長岡市内で記者団の取材に応じた。

 新潟を訪れての印象を問われ、「新潟はしっかりと固まりになっている。自民党も強く、(幹部などが)これから次々と入ってくるので最後まで気は抜けない。この調子で走り抜いてもらいたい」とコメント。「森(ゆうこ)さんの候補者としての魅力もあるが、野党、市民、さまざまな団体が協力するなかで森さんをみんなでしっかりと推しているということだ。手応えはある。最終的に安倍政治と国民の良識との戦いだ。必ず結果は出る」と力を込めた。

 憲法改正をめぐり安倍総理が選挙後に国会の憲法審査会で議論を始めると発言していることに対しては、「憲法審査会は、先の国会では事実上1回も開かれていない。これは、選挙前に争点になるのを嫌い与党が開こうとしなかったからだ。安倍総理は通常国会の前にも『憲法審査会で議論をしよう』と発言しながら実際には動かさなかった。それだけ個利個略で憲法の問題をやってきたのが自民党であり安倍総理だ」と強く非難。「われわれは、憲法は時代の変化とともに変わるものだという考え方で、議論に消極的なわけではないが、安倍総理自身が立憲主義とは何かということをはっきりと言ってもらわないと困る。つまり、立憲主義、国民を縛るものではなく権力者を縛るのが憲法だという基本的な認識すら間違っているようでは憲法の議論にならない。歴代総理はきちんと言ってきたわけであり、そうしたことをきちんと言われないと実際の議論には入っていけない」「今年の1月の年頭の記者会見で『参院選挙で議論したい』『国民の理解を深めたい』とおっしゃったわけであり、この選挙でもぜひ発信してほしい。まったく触れないのはあり得ない。できれば先般申し入れたテレビでの討論会を開いてもらいたい」と述べた。

 GPIFの問題について塩崎厚生労働大臣が「短期的な動きについては重視していない。長期的に見て必要な年金資金を確保できるかを重視している」と発言し、GPIFの株式の比率を見直す考えはないことを明らかにしたことを受け、「短期的でなく長期的に見なければいけないというのはその通りだが、そうであるならばご自身や安倍総理がかつて何を言ってきたかをしっかりと思い出してもらいたい。『これだけ株が上がった。基金が増えた。安倍政権のおかげだ』と国会で何度も答弁しており、いいときはそういう答弁を繰り返し、悪くなると『長い目で見なければいけない』という使い分けはやめてもらいたい。やはりリスクを抱えることには非常に問題があると思う。株価がどうなるか分からないが、大きく下がることになれば年金の減額につながることになる。それはあってはならない」と断じた。

 森山農林水産大臣が、自民党のTPP対策委員だった昨年9月末、一般社団法人「日本養鶏協会」の当時の会長から現金20万円を受け取っっていたことが分かった問題で、森山農水大臣が28日の会見で「現金を預かったが今年2月に返済は済んでいる」との旨述べたことについて、「よく会見などを精査したい」としたうえで、「基本的には大臣であれば職務権限があるわけであり、返したからいいということにはならない。甘利さんも含めて後から返したというような議論は成立しない。1回受け取った段階で犯罪は成立するというのは常識だ」と指摘した。