枝野幸男幹事長は30日、遊説先の福島市で記者団の取材に応じた。冒頭、枝野幹事長からは「すでに資料を配ったが、過日の東京電力の第三者と称する委員会の炉心溶融についての調査結果に対して、本日、弁護士を通じて民進党として謝罪撤回を求める文書を送った。5日以内に適切な対応を取らない場合にはしかるべき法的措置をとる。通告相手は東京電力と第三者委員会と称する調査を行った3人の弁護士」と報告があった。
記者団との主なやり取りは以下の通り。
問 そういった(東京電力に対する)措置をとった最大の理由。法的措置は具体的にどういったことを考えているか。
答 事実無根というか明らかに公表されている事実と矛盾している。私自身が(2011年3月)13日午前と14日の夜と炉心溶融と認める記者会見をしているのだから、客観的事実と矛盾している。当事者に話を聞かずに堂々と出すということはまず事実に対する姿勢として許されてはいけない。この件については、私ども当時の政府関係者として至らなかった部分もあるが、そうした部分も含めて客観的事実が残っていかないと今後の参考にならない。今日福島に来て事情を聞いてはっきりしたが、東京電力が関連会社に対して自民党候補の応援活動をしていたという話だ。要するに東京電力の第三者委員会が自民党を応援するために選挙妨害の目的でこのタイミングでやった。半年くらいかけると言っていたのがこの選挙のタイミングに合わせて3カ月くらいで出した。明らかに選挙妨害だ。なお、まさにこうした事実と違うことを選挙遊説でしゃべっている自民党議員がいるようなので、証拠を捕まえたらこうした人も適正に措置をしたいと思っている。
問 具体的な法的措置の中身は。
答 まず、5日以内に謝罪撤回を求めている。それがなされなかった時に速やかに対応してその時にはっきりさせる。
問 13日の東京電力の社長と会っていたときはどんな話をされたか。
答 正確な記憶は当時の資料を見ながらでないと申し上げられないが、その時は東京電力がサイトの写真を発表しているのに、少なくとも官邸にはおそらく経産省・保安院にも報告がなく報道を通じて知るということがあって、それでは困るので発表するにあたっては同時に監督者に対しても報告してもらわなければ困るという話をしているタイミングだったと思う。
問 炉心溶融の話はその時していたか。
答 していない。
問 福島選挙区では当初ましこ候補が優位だったが、独自の序盤調査では詰められている見立てがあるが、率直な見方と共産党の藤野議員が更迭された影響、特に自衛隊については福島県民は感謝している向きがあるがそのことの受け止めを。
答 まず、最近の世論調査はお分かりだと思うが、1つの選挙区について1つの社がプラス10もうひとつの社はマイナス10だったりするので世論調査はそのようなものなのでコメントしない。他党の人事に発言はできないので共産党に聞いて欲しい。
問 都知事選について。昨日、都連の松原会長が具体的な候補者名を4名挙げたが受け止めを。
答 都連からその4名を含む何人かが候補に挙がったという報告は受けたが、途中経過について申し上げるべきではないという姿勢は私は一貫している。
問 民進党の都知事選の候補者選びを行っているが決定の時期はいつまでか。
答 告示日までに決める。
問 調整状況によっては参院選の後でも構わないのか。
答 できるだけ早い方が望ましいが、告示日までには決める。
問 集団的自衛権行使の一部容認の閣議決定から明日で2年になるが、当時から市民との共闘が始まったことを振り返って所感を。
答 まだ、日本の民主主義が生きているなと思った。立憲主義という言葉自体はまだまだ周知されていない部分があるかもしれないが、なんかおかしなことをやっているなというのは憲法や法学の専門家以外でもきちっと伝わる。それがこうした大きなうねりになったと思っていて、日本の民主主義は捨てたもんじゃない。ただし、今が瀬戸際だと思っている。
問 今後の集団的自衛権行使の一部容認閣議決定の撤回に向けてどういう動きをしていけばいいか。
答 閣議決定の撤回をするには相当なプロセスが必要なのはよく分かっている。まずはこの参院選でしっかり結果を出すことで、事実上通った法律を使えないという政治状況に追い込んでいくということからだと思う。
問 幅広い市民の皆さんが一致結束ができたが、その効果は。
答 半年ぐらい前までは1人区をどうやって戦ったらいいんだろうというのが正直なところだった。ここまで伸びてくることができたのは幅広い市民のみなさんと野党が一本化をしたということの効果が最も大きいと思っているし、伸びてきて追いついてきたでは意味がないので最後は結果につなげたい。