岡田克也代表は1日、松田直久衆議院議員とともに三重県で芝ひろかず候補の応援演説を行い、「芝さんが三重県で通らないようなら私は代表の資格はないと思っている。一蓮托生。しっかりと勝たせていただきたい」と、芝候補への支持を訴えた。
岡田克也代表
岡田代表は、安倍総理が30日に三重県に入り、芝候補の母校・皇學館で学生らと昼食を取る機会を設けたことに触れ、「総理に言われたら大学も断れない。こんなことは三重県民の意識からすると異常だ」と批判した。また、「気を付けよう、甘い言葉と民進党」というフレーズを用いて野党の批判ばかりを繰り返す安倍総理について、「総理が言う言葉か、情けなくはないか」と批判した。
今回の参院選における争点のひとつと位置付ける憲法改正問題に言及し、岡田代表が安倍総理に日本国憲法の平和主義とは何かを尋ねた際「侵略戦争をしないこと」という返答があったことを紹介した。「侵略戦争をしないことは当たり前のこと。日本国憲法の平和主義にはそういう当たり前の意味しかないのか。違うだろう。専守防衛、海外で武力行使をしないのが日本国憲法の平和主義だ」「自衛隊の皆さんは日本を守るために自衛隊員になったのであって、外国で戦争するために自衛隊に入ったのではない」と述べ、戦後守ってきた日本国憲法の平和主義についての安倍総理の無知と無理解に重大な懸念を示した。
もうひとつの争点である「暮らしと経済」についても言及。20年前は20%台だった非正規雇用が40%を超える中で、安倍政権が労働者派遣法を改悪して生涯派遣を可能にしたこと、子どもの6人に1人が貧困、高齢単身女性の2人に1人が貧困であるなど、生活環境が悪化し、国民の生活に不安が広がっていることの深刻さを訴えた。民進党は「チルドレン・ファースト(子ども第一)」の考えから、今回の参院選での「国民との約束」の中で給付型奨学金奨学金の創設などを約束しており、自民党がマニフェストで「給付型奨学金を検討する」としていることと比較し、「〝創設する〟と〝検討する〟は違う」と、取り組み姿勢の違いを強調した。
「30代40代になっても給料が上がる可能性がないから、結婚を諦め、子どもを諦める。そんな国でいいのか。しっかり政策を転換しよう」「今の生活に対する不安が根底にある。経済成長は重要だが、どう分配するか考えていかなければいけない。待っていればそのうちいいことがあるさではいけない」と岡田代表は集まった人々に呼びかけた。
芝ひろかず候補
芝ひろかず候補は、「国民のため、市民のため、皆のため。市民を、人を、地方を守らなくてどうするのか」「国民のたった1%の富裕層に富が集中し、格差が広がってきている。この流れを変えなければいけない」と集まった支援者に呼びかけた。
また、安倍政権下での安全保障政策等の顕著な変化について触れ、「私たちは3度安倍政権にだまされてきた。(安倍総理が)3年前の参院選で『アベノミクスこの道しかない』と言ってやったことは、国民の知る権利を奪い、何が秘密かも秘密とする戦前のような特定秘密保護法の強行採決。1年半前には衆院を解散して、消費税増税を先延ばし、『アベノミクスを加速する』と耳触りのいい政策を訴えながら、やったことは、70年間続いてきた日本の平和や立憲主義を根底から覆す憲法解釈変更の閣議決定、安保関連法案の強行採決。だがこうして作った安保法制を参院選が終わるまでは実際の運用はしないという。争点を隠して耳触りのいい政策を羅列して、勝ったら憲法を変える。間違いなく安倍さんの思いはそこにある」などと厳しく批判した。
「芝1人の戦いではない。ともに戦って、なんとしてでもみんなの政治を取り戻し、安倍政権にストップをかけよう」と支援を呼びかけた。