岡田克也代表は5日昼、北海道芦別市役所前で参院選北海道選挙区に民進党公認として立候補している徳永エリ候補の応援演説を行い、「戦後70年、われわれの先輩が守ってきた憲法9条を変えさせないためにも、改憲に必要な3分の2の議席を改憲勢力に与えてはならない。それを阻止するには北海道選挙区で民進党が2議席を取らなければならない」と力を込め、「徳永候補の勝利は重要な意味を持つ、1票を寄せてほしい」と求めた。
徳永エリ候補
徳永候補は安倍政権下での農政について、「経済至上主義を農業・農村に持ち込んで競争させ、弱い立場の人たちを淘汰していく。企業と先進的な強い農家、そして法人だけで農業を推し進めるのが安倍総理が言う強い農業だ。しかし、安全・安心で質の高い、おいしい北海道の農産物を作り出してきた家族系農家の皆さんをこそ守っていかなければならない。美しい自然環境を作り、守り、多様な生物が生きられる状況をつくりだしてきた農家の皆さんこそが重要だ」と指摘。「現場の皆さんの意見をしっかりと聞いて、これからの日本の農業をつくっていく」考えを徳永候補は強調し、経済至上主義の農業のために、地域の農業を弱体化させることの片棒を担いでいる自民党議員では果たせない、地域の声を国会に届ける役目を果たしていくため国政に送ってほしいと表明した。
富めるものがより富むための政治を進める自民党に対し、「国民とともに進む民進党」としてスタートし、国民の側に立った政治を推し進めていることを強調。6年前の参院選挙のときに訴えた「子ども手当」「高校授業料の無償化」「農業者戸別所得補償制度」を、自民党は「ばらまき」と非難したが、子ども手当によって「塾代が出せるようになった」と喜ぶ声があり、「高校授業料の無償化」で保護者の収入に左右されない高校進学を可能にし中退者減を実現し若者の将来展望が広がったこと、「農業者戸別所得補償制度」で農業経営が安定し先を見すえた農業経営を可能にしたことなどを説明。「しかもこれらが実現するなかGDPはプラス成長になった。人への投資はお金が動く。遠回りだが人への投資で景気は良くなる」と説き、「こうした人への投資こそが経済再生につながる」と力をこめ、人への投資にかじを切る政治を民進党と徳永エリにやらせてほしいと訴えた。
岡田克也代表
安倍政権が国民に問うことなく年金積立金の株式運用比率を倍増させ、昨年度に5兆円もの損出を出したことを岡田代表は取り上げ、「年金積立金は文字通り国民の皆さんの年金の支払いに充てるべきもの。リスクのある運用に過度に依存するのは危険だということで、安定運用するのがこれまでの社会の常識だった」と説明。にもかかわらず株価をつり上げアベノミクス効果を好調と演出したいがために国民の年金保険料を利用した安倍政権は看過できないとして「運用比率を元に戻していく」のが民進党の考え方だと強調した。さらには厚生労働大臣にはすでに多額の損失に関する報告が上がっているにもかかわらず、正式公表が参院選後へと先送りされたことも問題視し、「安倍政権の本質、隠ぺい体質がここにある」と非難。消費税10%増税先送りの発表も国会が閉じたあと、野党の追及ができなくなった段階だったことにもふれ、「『国民に説明しない』『都合が悪くなると隠す』自民党体質がそこにある」と断じた。国民の年金を守るために民進党は自民党と相対していく考えを表明した。
「TPPのことも思い出してほしい」と岡田代表は聴衆に呼びかけ、2012年の総選挙で自民党は「TPP断固反対」というポスターを全国に張りめぐらせたにもかかわらず、安倍政権はその言葉をほごにしたうえ、何ら国益を守れない、日本農業にとって痛手となる内容でTPP妥結に至った現実を思い起こしてほしいと聴衆に呼びかけた。国民に正しい情報を伝えない、そしてだますことを繰り返す自民党に対し、参院選は断固自民党勢力を否定する選挙にしてほしいと求め、国益を、日本農業を守るためにも徳永候補に支持を寄せてほしいと語った。