岡田克也代表は30日午後、党本部で記者会見を開き、9月に行われる民進党代表選挙に立候補しない意向を表明した。
「2点について申し上げたい」として、第一には同日選挙運動期間が終了する東京都知事選挙について、「まず鳥越さんに非常にがんばっていただいていること、7月10日の参院選の結果を見て決断し都知事選挙に出ていただいたことに心から感謝している。現時点では追いかけている状況かもしれないが、何とかして追いつき追い越し、鳥越さんが都知事として当選されるように党としてもなお全力を上げていく。私もこれから新宿の街頭演説にかけつける。この間各党の関係者の皆さんはもとより、ボランティアの皆さんや市民団体の皆さんに厳しい難しい選挙を支えていただいたことに心から感謝申し上げるとともに、何が何でも今までの流れを断ち切って、新しい都政を始めるために鳥越さんに最後は踏ん張っていただきたいと思っている」と語った。
第二には民進党代表選挙に関する自身の対応に関して発言した。「正式には(都知事選挙の街頭演説会が終わる)8時以降の方が良かったが」と前置きしたうえで、「事実上選挙運動期間も終わるなかで、私としての考え方を明らかにしておいた方がいいと考えた。国会も月曜日から始まるので、いつまでも結論を先延ばしするのではなく、1週間ほど前に事実上考えを固めたのだが、結論から申し上げると次の代表選挙には出ないという決断をした」と述べ、以下のように説明した。
「7月10日に参院選が終わってから白紙だと申し上げてきたが、何とか党を立て直す、何とか参院選挙で結果を出すということで1年半やってきたが、その参院選挙も終わって少し白紙の状態で、これからどうすることが日本の政治、あるいは民進党にとって望ましいかを考えてきた」「私としては自身の達成感がある。海江田さんが落選されて代表がいなくなって、そのあとに代表に就任したわけだが、この1年半の間に例えば維新の党との合併、あるいは野党共闘路線の方向付けなどができたと思っている。そして衆院の候補者についてもおおむね200人程度揃えることができて戦える態勢はできた。そして、そのなかで迎えた今回の参院選挙だが、いろいろな見方はあり、過半数を相手方に許したわけなので、われわれは負けは負けなのだが、3年前と比べると17議席から32議席ということで一定の成果をだすことはできた。どん底の状態から反転攻勢できる1歩を踏み出すことができたと自分自身では思っている。そういう意味では一区切りつけられる状態まで来た」「相当な責任感でかなり集中してこの1年半やってきたが、ここで一区切りつけて新しい人に(代表を)担っていただいた方が、党にとっても日本の政治に政権交代可能な政治をつくるという意味でも望ましいのではないかと判断した」「私の任期はまだ2カ月近くあるので、その間しっかり責任を果たしていくが、あとは一歩後ろに引いて、新しい人々に党を担っていただきたいと思っている」
「どうしても代表であるがゆえに深く取り組めない問題もあった」とも述べ、米国大統領選やEUの状態、中国の最近の動きなど世界が大きく変わろうとしているなか、「そういう問題に代表だからこそできることもあるが、代表であるために深く極められない面もある」「国内もアベノミクスが限界に立ち至っていると思うが、その後に日本をそうしていくのか、特に財政の健全化、あるいはこれからの本格的な少子高齢化のなかでの社会保障制度の改革など、少し自由な立場で極めたいという思いも一方であった」などと語った。
民進党の今後についての望ましい形等について問われ、「あとは、いい次のリーダーを選んで党が一丸となって政権交代可能な政治をつくっていくことを期待したい」とだけ語り、記者会見を締めくくった。