民進党は6日午後、党代表選挙管理委員会(神本美恵子委員長)主催の四国ブロック候補者集会を高松市内で開催した。会場には600人を超える党員・サポーターや自治体議員らが集まり、蓮舫、前原誠司、玉木雄一郎の各候補の主張に耳を傾けた。集会前には市内で街頭演説を行い、それぞれが社会像・国家像などを訴えた。

 集会ではゲストスピーカーとして森尚子氏が高知で働く女性の立場から女性政策について、香川県中讃地域集落営農法人協議会会長の村山英臣氏がTPPをテーマに提言を行った。森氏は「女性の社会進出・活躍促進のために、何が必要で、何から始めるのか」、村山氏は「TPPについて(遺伝子組み換え作物など)農業・食品分野についてどう議論していくか」と3候補に質問した。

 玉木候補は、森氏の質問に、ダブルケアの問題についても触れながら、「保育・介護の社会化を進めて行く。働く人手が足りないので、保育士・介護従事者の待遇改善のための予算を増やすべき」などと答えた。村山氏の質問には「(農薬や虫に強いといった)遺伝子組み換えについてアメリカでは表示義務がなく、日本の表示義務が参入障壁になっていると言われている。今回のTPP合意ではどのようになっているのか、具体的な合意内容がよくわからないので、秋の国会でしっかり議論していく」と答えた。

 蓮舫候補は、森氏の質問に「ハコ作りに傾倒するのではなく、そこで働く人たちへの支援をすることで雇用を生み出す。そしてそこを充実させサービスを充足させていく。出産育児について、制度だけでなく男性の意識を少しずつ変えていく」と答えた。村山氏の質問には「TPPに関しては玉木さんがわが党では専門家なので任せたいし委ねたいと思っている。その上で、最近子どもの食品アレルギーが増えてきた。これは環境と無関係ではないと思うので、やはり安心の農業、安心の食物、6次産業化、トレーサビリティ(が必要)。また一括交付金で自由度を高め、農業に力を注ぐべき」と答えた。

 前原候補は、森氏の質問に「(今までのモデルケースでは合わなくなってきているので)配偶者控除・特別控除を見直す。子育て・結婚・出産・育児に理解を示す企業に税制優遇などを行なっていく。ゼロ歳から5歳までの就学前教育を無償化し社会全体で子どもを育ているという仕組みを作る。この3本柱で働く女性の環境整備をやっていく」と答えた。村山氏の質問には「(アメリカ大統領候補の)トランプ氏もヒラリー氏もTPPに反対だと言っている。日本が批准してもアメリカが批准しなければTPPは発効しない。したがってTPPの議論でしっかりガードをしていく。その上で食の安全、遺伝子組み換えの問題、アレルギーの問題、これらは社会問題なので、命を守る、安全を守るという前提で(議論に)臨んでいく」と答えた。

 会場の参加者からは「農業政策についてヨーロッパ型を目指すべきか」「国民の支持率アップのために何をすべきか」「自治体議員に対して何をすべきか」「民進党立て直しのために頑張っている自治体議員に対してのメッセージを聞きたい」といった質問・意見が出された。

熱気に包まれた会場

熱気に包まれた会場