民進党は14日午前、党台風等災害対策本部(本部長・枝野幸男幹事長)第2回会議を国会内で開き、岡田克也代表の北海道視察の報告、前回会議で党北海道連・岩手県連から出された中間要望に対する各府省庁の回答と意見交換などを行った。
対策本部顧問の岡田代表が冒頭、11日に行った北海道十勝地方の台風被害視察について報告した。岡田代表は「十勝の報道は少ないが重要な農業地帯であり、深刻な状況であることを行ってみてあらためて感じた。JRはまだ復旧のめどが立っていない。農地は広範囲にわたって水に漬かっており、復旧には土砂を除いてから新しい土を入れるので数年を要するところもあった。農地は水の供給に限界があり、牛に与える水やライフラインに時間がかかる。現場は途方に暮れている状況で、早く激甚災害に指定してできることを早くやっていかないと、ものによっては1年では解決できないものもある。国のしっかりしたバックアップが必要だという思いで帰ってきた」と述べた。
対策本部長の枝野幹事長は「中長期にわたって大規模な復旧が必要だというのが当事者に明確に見えて大変な状況だと思う。各府省庁とも迅速かつ的確に対応していただきたい」と要望した。
続いて、党北海道連、岩手県連が前回の会議に出していた中間要望事項に各府省庁が回答した。北海道連の要望は(1)激甚災害法の指定(2)生活インフラである電気・水道・道路等の早期復旧(3)河川の浚渫(しゅんせつ)と河畔木の整備――など9項目。岩手県連の要望(1)人命救助活動への支援(2)激甚災害の指定と災害応急対策等への財政支援(3)農林水産基盤の早期復旧と農林水産業に対する支援――など9項目。
北海道連代表の佐々木隆博衆院議員は、「激甚災害の話のときに、今回の台風を『一連のものとして扱う』という話があったが、台風だけではなく、間に集中豪雨があり、それが被害を拡大したので、集中豪雨も含めて『一連のもの』ととらえてほしい」「これから収穫時期に入り、輸送の問題がある。いま問題になっているのはトラックの運転手が取り合いになっているので何とかしてほしい」「河川管理者・ダム管理者等の協議体の設置は災害が起こってからでは間に合わないので常設で作ってほしい」などと要望した。
岩手県連代表の黄川田徹衆院議員は、「長期的な考えで復興していかなければならないのでしっかりやってほしい。1年ごとに替わる閣僚に現場目線がないのが問題。なにがそこで起きているのか想像力を発揮してほしい」「北海道や岩手は秋サケの放流がある。震災のあとは放流ができず戻ってくるサケが少ないと言っているときに台風にやられた。台風の被害だけでなく一連の被害で生業をどう復興していくかという観点でサポートしてほしい」とあらためて要望した。また、ウェブ会議システムで会議に参加した岩手県連の事務局員からは「各地でボランティアが足りないと聞いているので手配をお願いしたい」と要望が出た。
意見交換の最後に枝野幹事長は「北海道は財政力の弱い町村が被害を受けているので、しっかりサポートしていかないと地域が成り立たない。長丁場で復旧に対応するので大変だと思うが、これだけ被害があり東日本大震災でも被害にあった地域は洪水被害を超えた大変さがあるので、各府省庁から今日の宿題等を党の新役員に報告していただきたい」と述べて会議を締めくくった。