山井和則国会対策委員長は27日、国会内で記者会見を開いた。

 同日の衆院本会議で野田佳彦幹事長と大串博志政調会長が代表質問に立つことについて、「野田幹事長が本会議に登壇するのは3年ぶり。久しぶりのドスンパンチを大いに期待している」と述べた。前日の安倍総理の所信表明演説については「アベノミクスが成功しているようなバラ色のようなことを言っていたが、国民はアベノミクスの行き詰りに苦しんでいる。国民の感覚からすると大きなずれがあるのではないか」と疑問を呈した。

 安倍総理が演説で自衛隊等に敬意を表した際に自民党議員が起立して拍手したことを問題視し「もし本当に敬意を払うなら全党でやらないといけない。自民党以外は自衛隊や海上保安庁に感謝していないのかというと全くそんなことはない。やはりこういうことについては非常に問題だと思うので、今日の議運で議論がなされると思う」と批判した。

 TPPの協定文書などの和訳文に誤りが見つかったことについては「深刻な問題で、説明文書も15カ所の誤り、協定文書の日本語訳にも3カ所の誤りがあった。内容にも関わることなので、再提出をする必要がある。違った内容を私たちは審議させられていた。今までの審議はゼロにして、新たに審議せざるを得ないのではないか」と指摘した。

 政府が正誤表の提出で済ませるようとしていることへの対応を問われると、「私たちは正誤表で対応できる小さな問題ではないと思っている」と答えた。

 衆院解散の憶測が流れている中で、解散についての考えを問う質問には、「国民が求めているのは解散がいつかということでなくて、自分たちの暮らしを立て直してほしい、しっかり地に足のついた国会での議論をして欲しいということ。解散するしないは安倍総理が決めることかもしれないが、国民の暮らしを立て直してほしい」と答えた。

 予算委員会の日程について考えを求められると、「政府・与党の思いは30日からの補正予算の審議入りではないかと聞いているが、そのための環境整備をするのは政府・与党の責任。補正予算の中の大きな柱の一つであるTPP関連予算の根底に関わる輸入米と国産米の価格差がしるのかないのか。山本農水大臣も『価格差が今まで同水準だと言っていたのが大きく異なれば大きな問題だ』と言っており、事の重大さは農水大臣が一番分かっているのだから、きっちりと審議入りの前に実態調査の結果を発表することがスムーズな審議入りの手助けになる」と述べるとともに、「コメ農家も怒りまくっている。コメ農家だけの問題でなくTPPという国の未来を左右するものについて、根本的な問題で価格偽装している。そのことを農水省が知っていたのに事実と異なる答弁を国会でしていたのは重大な問題。国民に不信感が高まるし、不信感を放置してTPPを承認するのは無理だ」と語った。