蓮舫代表は15日、衆院東京10区補欠選挙の民進党公認である鈴木ようすけ候補の応援演説のため練馬区を訪れた。蓮舫代表は、物価が上がっても賃金が下がれば年金受給額を減らす、いわゆる年金カット法案に反対することを強く訴えた。
鈴木ようすけ候補
まずマイクを握った鈴木ようすけ候補は、この選挙で問われていることの一つに、経済政策を挙げた。「今、とにかく『成長』と言ってリニアモーターカーを借金してまで導入しようとしている。それでも『成長』と言い、成長した先には皆さんに果実があるはずですよという経済政策が進んでいるが、6割の皆さんが今の経済政策を支持していないと出ている」と経済政策の現状を批判。「今の政権の経済政策を選ぶのか。それともわれわれ民進党が蓮舫代表のもと唱えている分配の経済、今の政権が進める経済政策にかかる莫大なお金を個人に、そして家庭に少しずつ分配をしていく。そして、皆さんの生活の底上げをはかり、中間層の復活を目指していく。そうした分配の経済なのか。この選択が問われている。私は立教大学の経済学部で6年間経済を教えてきた。どう考えてもこの分配の経済の方が今の人口減少社会に適していると思っている」と個人や家庭に分配する経済にシフトしていくべきと訴えた。
蓮舫代表
蓮舫代表は年金カット法案について語り、「対案をもって今まで国会で審議してきたが、この法案はひどすぎる」と述べたうえで「今の年金受給者のみならず、今、保険料を納めている現役世代の皆さん方の将来の年金もこの法律が通れば、物価が上がっても賃金が下がれば年金を下げることができるという一律カット法案。われわれはファクトがなければ審議ができないという考えのもと、過去10年間この法案があったらどんな事態になるのか試算した。国民年金で年4万円、厚生年金で年14万円、一律年金支給が削減される」と審議に入る前にあらかじめ民進党が試算をして法案の影響を明らかにしていることを訴えた。そのうえで、「驚くべきことに政府は試算をしていなかった。試算をしたら年金額が減らされることがわかり、皆さんの非難や批判にさらされるから。こんな試算をしないで、年金をカットする法案を数の力で通す。この手段に私たちは反対をする」と年金カット法案について政府と対決していくことを訴え、聴衆から拍手を受けた。
「私たちはまだまだ挑戦者。相当高い壁かもしれないけれど、われわれが挑戦しなければ、皆さんの声を、切り捨てられている声を、誰が国会に届けるのか。ぜひ、その役割を担う鈴木ようすけさんに支援いただきたい」と述べ演説を締めくくった。