蓮舫代表は23日長崎市を訪問し、平和公園で原爆犠牲者の冥福を祈って献花するとともに、連合長崎との懇談、街頭演説や党長崎県連の政治アカデミーでの講演などの活動を精力的に行った。

連合長崎との懇談会

連合長崎との懇談会

 連合長崎との懇談会で蓮舫代表は、「今年の夏の参院選でのご尽力にお礼を申し上げる」などとあいさつしたうえで、「結果は残念な形になったが、長崎市内では自民党候補に2万票以上の差を付けているなど、ポイントポイントで見ていくと、道が見えてくる選挙結果だ。総選挙も早ければ11月末解散とも言われている。県内では基本的に私たちの候補を立てる方針で臨んでいく。私たち民進党がやるべき政策を打ち立てていくことが大事だ」と述べ、引き続き協力・連携することを求めた。

 連合長崎の森会長は、「われわれも含めて、蓮舫代表の新体制に期待しているところは大きい。また連合だけではなく、有権者の皆さんに向けても、民進党は変わったというところをしっかりと発信していただき、さらに対案をしっかりと示していただきたい」などとあいさつした。

蓮舫代表

蓮舫代表

 宮島大典長崎4区総支部長の司会で行われた長崎市内での街頭演説会では、約200人の聴衆を前に、「政治は難しくない。政治は皆さんから納めていただいた税金が、何に使われるかに尽きる。このことに多くの国民が無関心だった結果、気が付いたら1千兆円の借金がたまっていた。これは次の世代、孫や玄孫(やしゃご)の世代になっても返し切れないほど膨大だ。日本は人口減少社会になり、かつての昭和30年代のような成長は難しい」「今回の補正予算では、今の景気を良くしなければならないのに、11年後の手当てをする中身が入れられている。限られた財源は今ある不安を解消するために、人に投資をするお金の使い方をすることが政治ではないか」と、将来世代に借金を残す安倍政権の強引な成長一辺倒の政策に疑問符を付けた。

 蓮舫代表は、「私たちは堂々とさまざまな法案を出している。例えば政府の言う働き方改革は大賛成だ。私たちは、長時間労働の規制をするために、仕事と仕事の間に一定の時間を置くインターバル規制法案をすでに出している。しかし安倍政権はこの法案を審議しようとしない。今の現実にこの政治は鈍感過ぎる。民進党は、今に敏感な政治をつくりたい」と訴えた。

髙木義明県連代表

髙木義明県連代表

 長崎県連代表の髙木義明衆院議員は、「安倍一強体制の中で、わが国の政治は緩みやたるみの連続が続いている。そのような中で、新しい流れを作ってもらいたい、民進党がさらに国民の信頼を勝ちとる政党のトップリーダーとして活躍してほしいという、全国の皆さんの熱い思いの中で蓮舫新代表が就任した」「臨時国会が開会中だが、その先頭に立って論客ぶりを発揮している。歯切れの良い、発信力の強い蓮舫代表に、わが国の政治を大きく変えてもらおう」「1億総活躍社会とか、地方創生などと美しい言葉は踊っているが、まだまだ地方はそんなに元気はない。関東圏は20年連続で人口が増えているが、これは地方から賑わいがどんどん失われていることだ。地方を元気にしなければならない。これらを実現するため、蓮舫代表を先頭とした民進党を応援してほしい」などと訴えた。

民主党長崎政治アカデミー

民進党長崎政治アカデミー

 政治アカデミーの基調講演に立った蓮舫代表は、およそ150人の参加者を前に、13年前に自らの政治を志すきっかけ、なぜ政治が高齢者に多くの予算を割くのか、予算の再分配のあり方を直していかなければならない理由などを述べ、「現政権の社会保障政策では介護の重症化を招く」「日本の最大の問題は人口減少。2040年に基礎自治体の3割が消滅する」「生まれてから大学を出るまで国がバックアップをしようというバースフリーの考え方が必要だ。広く薄く負担していただく税制改革も必要」などと多くの課題について問題提起した。

 蓮舫代表は、「選択できる政治を、選択できる政策を示すことで初めて皆さんが選ぶことができる。これが民主主義だと思っている。皆さんがおかしいと思った時に選べる政党になりたいと思っている。政治は今だけ良ければ良いというものではない。未来と向き合わなければならない。批判から提案へという民進党の基本軸を中心に、私たちは提案型政党として臨んでいく」「このアカデミーから、政治家になりたいと思う方を、この長崎から1人でも多く生んでほしい」と参加者に呼びかけ、講演終了後には参加者との質疑応答で熱心なやり取りを交わした。

平和公園で献花を行う蓮舫代表

平和公園で献花を行う蓮舫代表

長崎市内で街頭演説

長崎市内で街頭演説