蓮舫代表は9日夕、米国大統領選挙の開票結果の大勢が判明したことを受けて国会内で記者団の取材に応じた。

 ドナルド・トランプ氏が次期大統領に当選確実となったことについて、「心からお祝いを申し上げたい」と述べた上で、「政治経験のない実業家が大統領候補になり、そして実際に大統領になることができる。これは米国のダイナミズムだと思う」と語った。

 日米関係については、「もっとも重要な2国関係であり同盟国なので、これからもこれまでと同じように緊密な連携を維持するために努力していく」と述べた。

 一方で、10日に衆院本会議を開いてTPP承認案などを採決することを衆院議院運営委員長の職権で決めたことに関連し、「トランプ新大統領は、TPPは米国の製造業にとって死の一撃になると脱退を表明していた。それなのになぜ日本だけがTPPの批准・加盟を急ぐのか、まったく理解できない」と述べ、「むしろTPPの採決を急ぐということが新大統領に対して失礼にあたるのではないか」と懸念を示した。

 さらに今回の米大統領選の株価・為替への影響について「決して軽視はできない。政府の姿勢、私たちの懸念に対する政府の考えを確認をしなければならない」と予算委員会の集中審議を求めていることを明かした。

 敗れたヒラリー・クリントン氏について問われると、「米国は、民主主義で多様な意思が自由に表明でき、男女平等。その中で今回の挑戦は、率直に申し上げて素晴らしいと思っていたが、届かずということでガラスの天井は想定以上に高かったのだと思う。ただこのことによってガラスの天井はもう届かないと諦めるのではなく、いろいろな世界で、いろいろな女性に挑戦をしてもらいたい」と応えた。