蓮舫代表は12日に青森県を訪れ、党青森県連主催の政経セミナーで講演した。セミナー後の懇親会では、次期衆院選の立候補予定者、青森市長選立候補予定者があいさつした。
蓮舫代表は講演の冒頭で、「この夏の参院選では、大親友の田名部匡代さんを当選させていただいた。まっすぐでひたむきで、しっかりと課題に向き合う政治家だ」と述べ、会場に集まった参加者に謝辞を述べるとともに、田名部参院議員へのいっそうの支援を要請した。
TPPについて言及した蓮舫代表は、「TPPで自分たちの生活は、仕事は、米を作っている農家はどうなるのか。畜産を営んでいる方や食の安全はどうか、車はどうか、そして保険や著作権はどうなるのか。多くの国民が分からない」「それぞれの国には文化や、国民性があり、守るべき基準がある。それを大きく変えようという時には、皆が納得することはないかもしれないが、これなら仕方がないなと思えるくらいの情報は提出するべきではないか。しかし国会で示された資料は、『のり弁』と言われるように真っ黒だ。あれでは質問すらできない」「生産者、消費者、国民が(締結した内容を)分かったうえで採決にもって行くのが政治の本当の姿ではないか」「次期米国大統領に就任するトランプ氏は、TPPからは脱退するという。米国が脱退すればTPPは発効しないのになぜ急ぐのか」と政府の姿勢に疑問を投げた。
働き方改革について蓮舫代表は、大手広告代理店である電通の女性社員の女性が過労自殺し、労災認定された事件を取り上げ、「彼女は月の残業時間が100時間を超え、睡眠時間も1日に2、3時間だった。働く人を大事にしなければならない。民進党は、勤務時間の間に一定の時間を取るインターバル規制をする内容の法案をすでに国会に提出している。これはEUではスタンダードなもので、当たり前に守られている。EUに進出している日本企業は当然守っている。今そこにある命を救う長時間労働規制の法案を審議することが国会の役割だ」と話し、審議に応じようとしない与党の対応を批判した。
蓮舫代表は、「ここ青森県にはいい仲間がそろっている。ぜひ皆さんの地域地域で迷うことなく私たちの仲間を応援してほしい。これからも素晴らしい政策を提案していくので、民進党への支援を引き続きお願いしたい」と呼びかけた。講演後には会場の参加者と質疑応答を行った。
県連のセミナー終了後に開かれた懇親会では、次期衆院選に立候補予定の各総支部長、青森市長選立候補予定者があいさつした。
升田世喜男衆院議員
党青森県第1区総支部長の升田世喜男衆院議員は、「先日、TPP採決の衆院本会議で討論のため演壇に立った時、私はずいぶんと汗をかきながら演説した。その時自民党から『汗を拭け』とやじが飛んだが、私は、『農家はもっと苦しい汗を流しているから、私は汗を拭かない』と答えた。第1次産業、足元の基幹産業からすべては始まっている。その思いで戦っていく。青森は青森らしく行こうではないか」とあいさつした。
工藤武司青森3区総支部長
青森県第3区の工藤武司総支部長は、「なぜ民進党を選んだのかと言うと、既得権益と戦う民進党の力にひかれた。私には地盤も看板も鞄もない。公募からのスタートだ。そういった者を立たせてくれることは自民党にはなかなかできないことだ。青森の自民党議員は全てがそろっており、それを引き継いでいるだけだ。私はそういった既得権益を打破したい」とあいさつした。
山内崇青森4区総支部長
青森県第4区の山内崇総支部長は、「多くの方に集まっていただきありがとうございました。今、1区の升田さん、3区の工藤さんからあいさつがあったように、私たちは今の自民党体制をぶち破っていくその先頭に立ちたい。選挙がかなり近いと予想されているが、今度の選挙では、私たち3人が何としても議席を獲得する。石にかじりついてもバッジを付けるという覚悟で向かっている。力をあわせれば必ずできる」と、決意を述べた。
渋谷てつかず青森市長選候補予定者
青森市長選に立候補予定の渋谷てつかず候補予定者は、「県都青森市の市長を自民党には渡せない。私たち野党が連携してぜひともわれわれ市民の手に市政を取り戻す。その思いで立ち上がった」と、力強く決意を述べた上で、「蓮舫代表が田名部さんの応援に駆けつけた時に私たちは、『これからは女性の時代だ。ぜひ民進党を立て直してほしい』と訴えた。この青森市長選で勝利し、皆さんと一緒に青森市、青森県の政治を変えたい」などと呼びかけた。