参院厚生労働委員会が13日開かれ、川合孝典議員が公的年金制度について質疑をした。
川合議員は、「年金の持続性を高めるために法改正するという趣旨自体には賛成だ。年金は現在の受給者を守ると同時に、将来世代に対しても責任を負わなければならない」と述べたうえで、「過去20年間の物価・賃金の実態に合わせた試算によると年金額はどうなるのかという資料を民進党は要求したが、政府の推計は、物価や賃金が将来100年間にわたって上がり続けるという、バラ色の試算に基づいている。2000年以降でも、賃金・物価の下落は幾度も繰り返されてきている。政府の試算に反して、将来世代が思いもよらない低い額の年金を受け取ることにもなりかねない」と指摘した。
民進党の「実態に合わせた推計」の資料要求に対して、政府は「物価・賃金ともにプラスとなる経済を想定しており、将来にわたって過去20年間と同じパターンで物価・賃金が推移することを前提とした試算をすることは差し控える」という答弁書を同日提出してきた。川合議員はこの答弁に対して、「将来、賃金・物価がどう推移するかの試算をきちんと出してほしいと言っているのは、試算は中立でなければならないからだ。恣意的に政策目標にそって前提が変われば、結果として出てくる数字も劇的に変わってしまう。ぜひ資料を出してほしい」と迫った。
委員会は一時休憩に入り、その間、与野党国対委員長会談が行われた。川合議員は「(国対委員長会談の結果)将来推計について、実態に即した資料を政府から(今年中に)提出するという確認ができた。5年に1度の財政検証にも反映させるべきだ」と追及すると、塩崎厚労相は「ご指摘のような賃金上昇率がマイナスになるようなケースも含めて、次期財政検証できちんと示せるようにしたい」と答弁した。
川合議員は「将来世代も含めて、受け取った年金で最低限の生活ができる水準が守られているのかということを私たちは問題にしている」と訴えた。