2018年12月までの衆院議員の任期が折り返し点を過ぎ、衆院解散総選挙をめぐる動きが注目されている。7月に任期満了を迎える東京都議選も控えるなか、政治決戦に臨む決意を馬淵澄夫選挙対策委員長に聞いた。

 昨年9月21日に選挙対策委員長に就任後、年内の衆院選挙もありうるという状況で「候補者擁立」「選挙対策」「野党連携」の3つを進めてきました。蓮舫代表の指示のもと(衆院議員定数の)過半数238人の擁立に向けて全力を尽くし、昨年末までに(勇退議員を除いた現職国会議員含め)220人の総支部長、候補者を擁立することができました。

 衆院の解散については、通常国会が20日に開会し、安倍総理は「予算の成立に全力を尽くす」と発言していますので、夏の都議選を控えるなか早期の解散は現実的には困難かもしれません。5月27日までには衆院選挙区の新しい区割り案の答申が出ますので、通常国会でこれに基づく改正公職選挙法が成立、施行された後、一定の周知期間を考えると早くても年内の後半、秋以降との見方が多くなっています。
 ただ、そうは言いながら解散は総理の専権事項ですので、十分準備をしながらアンテナを張り巡らせて対応できるよう進めていきます。

候補者底上げで勝てる選挙に

 解散を見据え継続的に調査を行いながら、いわゆるボーダーライン、当落線上にいると思われる候補者の底上げを進めていきます。

 例えば、後援会づくりが十分でないとか認知度が十分でないとか、候補者特有の情勢に合わせていく。新人、元職といったこれまでのカテゴリーにとどまらず、各選挙区の事情に合わせて知名度がまだ低い完全な新人候補、何回か選挙を繰り返して認知度はそれなりに上がってはいるが相手候補者との関係で支持が上がらない候補、その原因が支持団体との問題なのか、後援会・組織の問題なのか。こうした点を一つひとつ丁寧に選挙区事情に照らし合わせた形で、研修や新しいプログラムを提供していきたいと考えています。

野党連携進め解散に追い込む

 野党連携に関しては、昨年12月26日の野党4党幹事長・書記局長会談で「本格的に急ピッチで進める」ことを確認しました。

 具体的にまず、どこまで合意できるかという政策協議と並行して水面下での選挙区の調整等は行っていかなければいけません。態勢を整えていくことで政権は解散をしにくくなる。逆に言えばわれわれが力をつけていけば解散に追い込むことができます。

ワンボイスメッセージで発信力強化

 われわれは政策を提示して有権者に判断してもらうわけですから、民進党がどういう政策、国づくりをするのかを示していかなければなりません。政策に関しては政調あるいは政策アップグレード検討会で詰めていますので、これをより分かりやすくブラッシュアップする。政調あるいは国対と連携し分かりやすく打ち出していく。加えて、予算委員会をはじめとする国会の各委員会でのワンボイスでのメッセージの発信が重要です。良きにつけ悪しきにつけ自民党は「アベノミクス」しか言いません。これに対して民進党のワンボイスを徹底することによってわが党の位置づけや国家像、地域の将来像がおぼろげながら目に見えてくるのだと思います。

 「人への投資」は素晴らしいですが、これを220人の候補者や参院議員も含めて全員が声を一つにして発信できるようにメッセージを作り込む。ここは選対というよりは政調・国対・広報も含めた党の総合力ですね。

都議選で国政選挙につながる戦いを

 東京都議選については現有の18議席をしっかりと伸ばしていかなければなりません。小池新党もうわさされるなか、勝てる選挙にどう組み立てていくかが大事で、今夏に向け急ぎ、かつ慎重に取り組んでまいります。都議選を準国政選挙と位置づけ、来たるべき衆院選につながる戦いをしたいと思います。

(民進プレス改題20号 2017年1月20日号より)

民進プレス電子版のお知らせ: