今井雅人衆院議員と辻元清美衆院議員は23日、森友学園への国有地売却問題について、午前中に行った衆院予算委員会分科会での質疑と答弁について国会内で記者会見を開いた。この問題の調査チームの座長である今井議員は、「見積もりに関して、国が相当甘かったと言わざるを得ない」と語った。

 辻元議員は、2016年10月22日付で稲田防衛大臣が、森友学園の籠池泰典理事長に感謝状を贈っていることを取り上げた。同学園が保護者あてにヘイトスピーチのようなものを送っていたりするため、感謝状を贈るにふさわしくないと辻元議員が指摘し、「取り消すことを含めて検討する」という答弁を引き出したことを報告した。

 今井議員は、国が売却した土地の地中にごみが見つかったと森友学園から報告を受けた16年3月11日の3日後に現地確認をしたと説明しているが、実際は業者からヒアリングをしただけで、国自らごみがあるかどうかは確認をしていないことを報告。分科会での政府への質疑では「『(杭を打つため)9.9メートル掘ってそれを引き上げたらごみが上がってきた』と言われて、『9.9メートルのうちのどの部分からごみが出たのか』と聞いたら、『それは分からない』と。『じゃあ9.9メートルより上だった可能性はありますね』と聞くと、『可能性は否定できない』ということだった」という答弁があり、ごみが埋設されていた深さを国は正確に把握していないことが明らかになった。「今回(鑑定評価額を)計算するにあたって、深さと広さと計算していくわけだが、深さのところは、結局一番最大で見積もっている。本当はもっと見積額が少なかった可能性は十分にある」と今井座長は指摘した。

 大阪府私学審議会で森友学園に「認可相当」を出すにあたって、土地の取得や借り入れも決まっていない段階で「認可相当」を出してしまっている件は、「優遇し過ぎじゃないか」と述べた。

 また、政府がこの土地の不動産鑑定書を出すと2週間前から言っているにも関わらず出していないことについても触れ、「ずっとお願いしているが、出てこないので出していただきたい」とあらためて鑑定書の提出を求めた。