蓮舫代表は2日午後、定例の記者会見を党本部で開き、大阪の学校法人「森友学園」への国有地格安払い下げ問題について安倍総理に説明責任を果たすよう強く求めた。

 この国有地払い下げをめぐる問題について蓮舫代表は、「予算委員会での質疑が重なれば重なるほど分からないことが増えていく。国民の財産である国有地の売買は、厳しい審査を経て適正な価格で国民が納得できる情報の公開性をもってなされるという常識が見事に覆されていると言わざるを得ない」と問題視。「(払い下げ価格が)不当に安かったのではないか」という質問に対する安倍総理や政府の答弁がまったく理解できないものばかりだと批判した。

 さらに、「現職総理大臣夫人は公人なのか私人なのか」という論点が新たに浮上していると指摘。同日の参院予算委員会質疑で、昭恵夫人に5人の公務員がスタッフとして付いていることが明らかになったとして、「税金で給料が支払われているスタッフが5人付いている総理夫人は公人だと思う。都合よく総理の解釈で『私人なのでこれ以上話せない』という類のものではなくなっているので、しっかりと説明責任を果たしてもらいたい」と強く求めた。

 この問題では自民党の鴻池参院議員が1日、国会内で記者会見を開き、議員事務所で同学園の籠池理事長と面談した事実を認めるとともに、同理事長が再三来訪して国有地の取得をめぐり財務省近畿財務局や国土交通省大阪航空局への働きかけを依頼していたと明かした。

 国会議員への働きかけがあったことが明らかになったことを受け、「(鴻池議員の)秘書は15回も会ったと聞いている。しかも政治献金も受けている。鴻池議員1人だけの話なのか」と疑問を表明。「自民党総裁であり、同学園が新設しようとしていた小学校の名誉校長の夫である現職総理大臣にしっかりと自ら調査をしてもらいたい」「問題や疑惑は、一義的にはその議員自らが説明責任を果たすべきだが、総理大臣の立場として少なくとも財務省や国交省の職員が議事録がないとしている問題や、非公開あるいは破棄され分からない部分については明らかにする責務がある」と強調し、籠池理事長からの説明がなければ前に進まない問題がいくつもあるとして、同理事長を参考人として国会に招致することを求めた。

 2017年度政府予算の審議では、このほか文部科学省などの天下り問題や南スーダン派遣部隊の日報の隠ぺい疑惑、共謀罪など問題は山積していると指摘。特に、全府省対象の天下り調査の結果公表が4月以降になると政府が説明していることに対し、「あからさまな先送りだ。予算委員会で聞かれたくないという後ろ向きな姿勢には『おかしい』と問題を指摘し、質疑を続けていきたい」と述べた。