民進党森友学園調査チームは15日、国会内で記者会見を開いた。会見では、森友学園問題に関連して同日の衆院内閣委員会、財務金融委員会、厚生労働委員会で質疑を行った議員が内容について説明した。
内閣委員会で質疑に立った辻元清美議員は、2015年から2017年の間に毎年1度行われているスキーイベントに安倍総理夫人が参加していることについて質疑したことを報告した。「同行した職員はスキーをしたのかという問いに対して『スキーをした』と。『それは総理夫人の公務を補助する業務として行っている時とそれ以外の時もスキーをした』と。さっぱりわからない。それは公私混同ではないか」と指摘した。
財務金融委員会で質疑に立った初鹿明博議員は、14日の一部報道にあった「『身を隠してください』と財務省から籠池理事長が言われた問題について私から質問した」と報告。「財務省の答えでは、『そういう事実はない』と答えた」と初鹿議員は述べた。これについて初鹿議員は、「籠池理事長と財務省の間で見解が異なっているのだから、籠池理事長に国会に来ていただいて本当のところを話してもらうのが必要になってくるということを指摘して参考人招致を求めた」と語った。
厚生労働委員会で質疑に立った柚木道義議員は、籠池氏の妻が2012~14年にについて保育園の園長と幼稚園の副園長を兼務しているのが記録上分かっていることから、「常勤・専従の規定に違反する」と補助金を受ける要件を満たしていないことを指摘。「最大4000万円の不正二重受給をしている恐れがあるので、返還請求を大阪府と市が調査をする」と述べ、国としても「『調査まで必要な対応を取りたい』という答弁があった」と報告した。
内閣委員会で質疑に立った緒方林太郎議員は、学校法人加計学園の岡山理科大学が、愛媛県今治市の国家戦略特区に獣医学部を設立することについて質疑。理事長を務める加計考太郎氏は、安倍総理とゴルフや会食を頻繁に行うことで知られている。緒方議員は「文部科学省は獣医学部の新設は特区で対応することは難しいとこれまでの今治市の要望に対して答えていた」として方針が変わったことを指摘。これに対する文部科学省の答弁が「これまで上がってきた特区は、構造改革特区という地域に限定した特区として上がってきたからそれはだめですとはね続けました」「今回の特区は全国的な国際戦略特区、日本全体で考える特区の枠組みにのせたから」という趣旨の答弁であったことを報告。緒方議員は、「国際戦略特区であろうがなんであろうが、上がってきている目の前にいる主体は何も変わらない」と指摘し、「特定の団体に特定の便益を与えているのではないかというその疑念はぬぐえない」と語った。
司会を務めた玉木雄一郎議員は、加計学園の件について、「スピーディーに特定の学校になされているのはちょっと違和感があるので調査をかけていく」と語った。