市民連合との意見交換会

 民進、共産、自由、社民の4野党は5日夕、「市民連合」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)との意見交換会を国会内で開催。野党4党がまとめた「『市民連合が実現を目指す政策』に関する4党の考え方」(PDFダウンロード参照)を確認するとともに、直近の課題である森友学園疑惑の真相糾明と共謀罪の廃案についても共に闘っていくことで一致した。民進党からは、野田佳彦幹事長、大串博志政務調査会長、福山哲郎幹事長代理、山尾志桜里国民運動局長が出席した。

あいさつする野田幹事長

あいさつする野田幹事長

 野田幹事長は開会に当たって、3月12日の民進党結党後初めての定期党大会で「一致できる政策を見出す努力を行い、市民との連携を軸として野党の連携を進めていき、安倍1強支配に対抗していく」ことを活動方針として確認したことにも触れ、「今日はその前進につながる意見交換の場になることを強く期待したい」とあいさつ。野党4党は、「4党の考え方」で示した内容に加え、国会では(1)共謀罪の廃案を目指す(2)森友学園をめぐる疑惑の真相糾明――についても共闘しているとして、「市民連合の皆さんの後押しもぜひ頂きたい」と呼びかけた。

 同日の意見交換会では、大串博政調会長が「『市民連合が実現を目指す政策』に関する4党の考え方」について説明。4党の考え方は、次の総選挙に向けて野党と市民が共通して目指す政策について市民連合側から昨年12月9日に示された政策提言「市民連合が実現を目指す政策」(PDFダウンロード参照)に対し、4野党の政策実務者が協議を重ね、現段階での共通する認識を取りまとめたもの。市民連合側は、取りまとめに謝意を述べるとともに、「森友学園疑惑の糾明、共謀罪に対する反対運動の展開についても野党と市民の共闘を広げ、4野党とともに努力したいと決意を新たにしている。今後とも野党と市民の協力を強化していきたいと願っている」などとする野党4党への要請文書を示した。

 会議終了後、野党4党と市民連合は合同の記者会見を開いた。市民連合の世話人の法政大学教授の山口二郎氏は、「市民連合は安保法制に反対する運動からスタートし、その延長線上で昨年の参院選挙でも野党統一候補の擁立と支援を進めてきた。その後、次の総選挙でも4野党が協力して闘い、今の安倍1強政治の打破に向け野党との協力のあり方について議論を重ねてきたなかで安保法制の問題のみならず具体的な政策課題についても方向を出そうと提案し、本日このような回答を出していただいた」とこの間の経緯を説明したうえで、この考え方については「これから選挙に向けて具体的政策を掘り下げ、構築していく上での土台となる共通認識という位置づけだ。これによって野党4党と市民が目指すべき日本社会の姿の大きな方向性は共有できたのではないか」と意義を強調。「日本中いろいろな地域で次の総選挙での野党の協力、市民との共闘を求めるさまざまな動き、イベントがある。こうした運動のなかでも4党の考え方をもとに市民レベルで政策論議を深め、野党協力の機運を大いに高めていきたい」と語った。

 野田幹事長は、「市民連合の皆さんが抱いている現状の認識と基本的な理念、政策的な方向性については4党でしっかり共有できたと思っている。このことを基本に置いて、政治決戦に向けた準備をより加速していきたい」と表明。森友学園疑惑の真相糾明と共謀罪の廃案についても市民連合との共闘を確認できた意義にも触れ、「これからも連携を取りながら安倍政権打倒に向けて全力を尽くしていきたい」と力を込めた。

 共謀罪の廃案については特に、「内心の自由を脅かす脅威を共通して持っていること。こういう国民の多様な生き方、価値観、活動に対して制約を加えるような動きについてはそれぞれ立ち位置はあるかもしれないが強い危機感を共有しているということだ」と指摘。「過去にも協力して反対してきており、本質的な中身は変わっていない。むしろ性質(たち)が悪くなったのは正体隠しながらテロ等準備あるいはオリンピック対策と言っているということ。もっと筋も性質も悪くなっているのだから、より厳しく激しく闘っていく」と述べた。

PDF「2017年4月5日「市民連合が実現を目指す政策」に関する4党の考え方」2017年4月5日「『市民連合が実現を目指す政策』に関する4党の考え方

PDF「2016年12月9日市民連合が実現を目指す政策」2016年12月9日「市民連合が実現を目指す政策