江田憲司代表代行は28日午後、定例の記者会見を国会内で開き、日ロ首脳会談や森友学園問題、政治資金規正法等改正案について発言した。
27日に行われた日ロ首脳会談について、「共同経済活動に官民現地調査団を送るということだが、これが将来の領土返還にはつながるとは思えない。むしろ北方領土にミサイルを配備するとロシアの実効支配を高めることになる。こういう共同経済活動をする理由は、昨年末の日ロ首脳会談のプレス向け声明が『経済協力先行・領土棚上げ』という合意だったからに他ならず、時間稼ぎをしているとしか思えない」と批判した。
また外交交渉については、「十数年ぶりにプーチン大統領が来日した以外は、ほとんど安倍総理が足を運んでいる。本来、外交交渉は『こちらが行けば向こうが来る』という相互主義。こういうことでは領土問題の果実は取れない。相手方が何らかの形で困窮している時こそ北方領土問題等の交渉が進む。その時期が来るまで待ちの我慢が必要。それをせずに協力カードばかりを切るので進まない。このままでは今後、好機が来ても切るカードがない事態になりかねない」と懸念を示した。
森友学園の籠池前理事長を招いたヒアリングについては、「『この問題について安倍昭恵夫人に適時、交渉内容を電話で報告していた』という証言が出てきて、安倍総理夫人主導だったという疑惑がさらに深まった。『忖度(そんたく)ではなく明らかな直接介入』と言える状況証拠が明確に出ている。引き続き、安倍夫人や関係者の国会招致を求めていきたい」と述べた。
民進党が28日に衆院に提出した「政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案」について、「これまでは自民党が国民との約束を破って、企業団体献金と政党交付金の両方を受け取るという二重取りをしてきた。われわれが政権を取れば『政党交付金を導入する代わりに企業団体献金は禁止する』という、かねてからの国民との約束を果たせる」と感慨深く語った。