江田憲司代表代行は12日午後、定例の記者会見を国会内で開き、共謀罪や安全保障、憲法改正問題等について発言した。

 共謀罪について、「自公と維新が修正協議で合意したが、あえて共謀罪がはらむ確信の問題点を避けた『修正のために修正』になっている。TOC条約というのはテロ対策のための条約ではない。それを綺麗な包装紙に包めば中身は毒饅頭でも国民は食べてくれるだろうと『テロ対策』と銘打ったのは、安倍総理の常套手段だ。だからこそわれわれは、本当の意味でのテロ対策強化法案を出した。共謀罪は、捜査当局が長年の望みだったことを実現できる内心の自由を侵しかねない案になっている」と指摘した。

 安全保障に関しては、「『民進党は平和安全法制に対する対案がない』『安保法案廃止だけ』とよく言われるが、とんでもない間違いだ。対案として、周辺事態法改正案・PKO法改正案・領域警備法案もしっかりと出している。一方で安倍政権は、喫緊の課題である日本周辺危機事態に対して法案対応せず、電話で閣議を開くという運用改善だけにとどまっている」と述べた。

 憲法改正問題について、「いま日本が直面している国政の課題は、団塊の世代800万人が2025年に後期高齢者になることだ。憲法改正に莫大な政治的エネルギーを投入する暇があったら、医療費・年金・介護費等の社会保障制度の抜本改革に注ぎ込むべきなのに、その優先度合いがきわめて低い。世論調査で『国政の優先課題は憲法改正だ』と答えた人は6%で最下位だった。社会保障の抜本改革ができないような政党に、憲法改正を語る資格はない」と批判した。

 また憲法9条については、「何のための9条改正か分からない。政府は戦後から、ガラス細工のように積みあげてきた解釈で合憲としてきた。それを壊したのは平和安全法制ではないのか。こういう時に9条改正に踏み込むと、パンドラの箱を開けることになるのでは。とても国民のコンセンサスは得られないと思う」と述べた。