民進党代表代行
江田 憲司

 本日、内閣人事局より、再就職規制に関する全省庁調査の報告があった。

 まず、国会閉会直前のこの時期まで公表が遅れたことは極めて遺憾である。国会が閉じれば追及を免れるだろうという魂胆が丸見えである。さらに言えば、文部科学省による加計学園の獣医学部新設をめぐる文書の追加調査結果の報告日に合わせて公表をしており、国民からの批判をそらそうという意図すら感じられる。

 発表された調査結果についても、主に文書による自発的な聞き取り調査に拠っており、このような微温的手法で真実を厳しく捉えられているのか極めて疑わしい。また、他省庁には「文部科学省と同様の組織的な違反は確認されなかった」とのことであるが、文部科学省だけを殊更悪者にして政府全体を守ろう、加計問題における文部科学省の悪質性をあぶりだそうとの印象操作がぬぐえない。

 違反の疑いのある省庁名も公表していないことに至っては言語道断であり、また、再就職等監視委員会に調査結果「丸投げ」していることも、時間の経過により問題省庁の証拠隠滅の可能性も考えれば不適切である。「やったふり」の調査と言われても仕方ない。

 そもそも、加計問題をめぐって文部科学省や内閣府の調査を拒み続け、国民に真実を開示することに抵抗し続けてきた安倍内閣に不都合な真実をあばく心構えがあるのかも疑わしい。われわれ民進党は、今国会で既に省庁OBのよるあっせんの禁止、離職時5年をさかのぼって利害関係にあった者の営利企業等への2年間の再就職禁止等の「天下り規制法案」を提出済であるが、今後も徹底した調査を行い、天下りを撲滅していく。

以上