大串博志政務調査会長は11日夕、国会内で記者団の取材に応じた。
「残業代ゼロ法案」(高度プロフェッショナル制度、2015年4月3日提出「労働基準法等の一部を改正する法律案」)をめぐり、連合が政府に修正を求める方針を固め、神津里季生会長が近く安倍総理と会談するとの報道を受け、「連合の皆さんは労働組合の立場として行うものであり、われわれ政党とは役割が違う」と前置きしたうえで、同法案については「われわれはホワイトカラーエグゼンプションの導入が検討されて以来約10年、長時間労働を助長し、労働者の権利を著しく害するものだとして国会の内外で強く反対運動をしてきた経緯がある。そうした経緯に照らせば、長時間労働の例外を広げていくという法案の本質が変わらない限り、政党の立場としては反対だという考えは変わりにくいのではないか」との見解を述べた。
連合と政府との修正協議については、「私も行く末は分からない」とする一方、連合とはこの件を含めさまざまな意見交換、情報交換を重ねており、関係が良好であることを強調した。
共謀罪法が同日施行されたことには、「私たちは廃案を求め徹底的に戦ってきたが、あり得ない形での審議打ち切り、中間報告、強行採決となったことは残念でならない」と第193通常国会を振り返り、「他の野党とも連携し、ありとあらゆる場面を通じてこの法律の問題を追及し、廃止に向けた戦いを続けていきたい」と力を込めた。
同日の翁長雄志沖縄県知事との面談で、県への大型MICE施設整備に係る支援について要請を受けたことには、「民主党政権のときに一括交付金制度を確立し発展させてきた。今なお在日米軍基地の7割が沖縄県に集中している現状を鑑み、私たちはしっかりと支えていかなければいけない」と表明。大型MICE施設整備に係る支援については、「沖縄の皆さんの思いを受け止め最大限の対応をするよう政府に対して求めていく。政務調査会の中に設置している沖縄調査会(会長・細野豪志衆院議員)では、沖縄をどう振興していくかという議論を行い、政府とも常に連携を取っている。こうした機会を通じて沖縄の声を政府に届けていきたい」と述べた。
安倍総理入りの予算委員会の開催については、安倍総理は「国民に対して丁寧に説明していく」と発言しているにもかかわらず全く実行が伴っていないと批判。「10日の閉会中審査で疑念として残った点について、特に前川・前文部科学事務次官と政府側の菅官房長官や松野文科大臣、山本特命大臣、萩生田官房副長官との発言が全く違う状況を総理大臣が放置していいわけがない。総理としてこの問題をどう収拾させるのか、国会で語ってもらう必要がある」「この問題の真相究明には前川前事務次官とあわせて、加計学園の理事長や和泉総理補佐官なども含めて証人喚問あるいは国会への招致を実現させて白日の下でお互いの意見を述べてもらうことが必要だ」と指摘した。