民進党は5日、「未来志向の憲法を国民とともに構想する」をテーマに「憲法草の根集会in埼玉」をさいたま市内で開催した。これは党憲法調査会が全国11ブロックで開催予定の集会の第1回目として北関東ブロックの埼玉県で開いたもので、同市大宮区内の会場には280人の党員・サポーターなどが集まった。
冒頭、北関東ブロックの開催地を代表し、参院議員の大野元裕埼玉県連代表があいさつに立ち、埼玉・茨城・栃木・群馬をはじめ各地からの多くの参加者に歓迎と謝意を述べた。
基調報告に立った党憲法調査会長の枝野幸男衆院議員は、憲法の定義について「主権者である国民が自分たちの人権を守るために公の権力のあり方について定め、公の権力を制約するルールだ」と説明。ところが憲法で縛られている公権力のど真ん中に位置する安倍内閣が安保法制や共謀罪を強行に成立させ、民主主義と立憲主義の破壊を進めている政治状況を問題視した。
これに対して民進党は、「自由、民主主義、立憲主義の破壊と断固戦う。国会の内外で粘り強く国民の皆さまに訴え国民の声を喚起し民意の力を借りて立憲主義を守り抜く」と表明。時代の変化を踏まえ改定が必要な憲法条文について検討を重ね、(1)「知る権利」の強化方策(2)衆院解散権の制約(3)国と地方のあり方――等の3分野で議論が進んでいると報告した。
会場の参加者との意見交換が武正公一同調査会事務局長の進行で行われ、「憲法違反の為政者に対する罰則が必要ではないか」「国会議員の解職請求権を設けるべきではないか」「学ぶ権利は生存権の一部として確立している」「現行憲法に書いてある『健康で文化的な最低限度の生活』こそ実現すべきではないか」などの意見や質問が出た。
閉会後、記者団の取材に応じた枝野会長は、同日の集会の感想について「どのような展開になるか正直不安があった。皆さんが建設的で中身の濃い意見を出してもらい良いやり取りができたと思う。ここがキックオフで第2回目以降は、新しい(役員)体制の下で行われる。憲法調査会としては残り10カ所もきちんと開けるよう引き継ぎたい」と述べた。