代表選挙2日目の22日午後、代表選挙管理委員会(神本美恵子委員長)主催の北陸信越ブロック候補者討論集会が新潟市内で開かれた。前原誠司、枝野幸男の2候補が350人を超える党員・サポーターや国会議員、自治体議員などを前に自らの所信などを表明し、会場参加者からの質問に答えた。候補者集会の開催前には新潟駅万代口で街頭演説会も行った。
今回の代表選に立候補した動機について枝野候補は、「現状の日本に対する危機感。情報が隠ぺいされ、政治が私物化され、法の支配、立憲主義がないがしろにされている。強いものはより強くなるが、多くの普通の人たちの暮らしに目が向いていない政治。東京一極集中がますます進み、地方で頑張っている皆さんの努力に目が向いていない政治。このままではこの国はおかしなことになる。私たちに許される時間はそう多くない。この政治を変えることができるのは民進党しかない。その民進党を今こそ立て直さなければならない。そんな思いで立候補を決意した」などと語った。
前原候補は、「若い人たちが今の生活に不安を感じ、地域のシャッター商店街がどんどん増えて活力が失われていく。自民党の政治に甘んじていいのか。われわれは立ち上がって新たな選択肢を示さなければいけない。今回の代表選挙で若い方々の不安を取り除く。例えば、結婚すれば住宅手当が出る。子どもを持ちたければ誰でも子どもを持つことができる。教育の無償化をやろうじゃないか。少なくとも基礎年金は減らない仕組みにしよう、これで足りなければ少し上積みをしよう。高齢者にいつまでも元気に生きていただきたい。そういう社会を作ろうじゃないか」などと語った。
その後、候補者同士が互いに質問し答えた。前原候補は、自身が会長を務める「尊厳ある生活保障総合調査会」の中間報告で掲げた「All for All」について、「財源論から逃げない建前になっているが、枝野代表になったら、1年間議論してきたことは見直すということか」と質問。枝野候補は、「財源論から逃げるべきではない」と述べ、「こういう給付をする、こういう支え合いの仕組みをつくる。それをやるにはこれくらいの財源がいる。それについてはこういう項目でこういうふうに負担をお願いする。しっかりパッケージでお示しする。そこから逃げてはいけない」などと答えた。
枝野候補は、新潟にある柏崎刈羽原発の再稼働を容認するかどうかについて前原候補の見解を尋ねた。前原候補は、民主党政権時に福島第1原発事故が起きたことに言及し、「原発のない社会を創っていくことにわれわれは使命を負っているのだと思う。だからこそ2030年代原発ゼロを目指して、あらゆる政策資源を投入することもまとめた」と述べ、「民進党結党時には基本政策合意に国の責任を明確化し、責任ある避難計画が策定され、核廃棄物の最終処分場選定プロセスが開始されることを前提とするのが合意事項。私は米山知事の選挙を一生懸命応援し、上越で他の党と一緒に演説した。その流れからすると当然ながら柏崎刈羽原発は再稼働する状況にないことは明確だ」などと答えた。
民進党女性議員ネットワーク会議から「男女平等参画に関する質問状」が両候補に手渡され、代表して秋山三枝子新潟県議が「国政でも市町村でも女性議員を増やしていく方策を確認したい」と質問した。
枝野候補は、「私が代表になれば実現に向けたプロジェクトチームを直ちに立ち上げ具体的な工程表を作る」と答えた。前原候補は、「政治分野における男女共同参画これを推進する法律案。そして、衆議院の比例代表選挙にクオータ制を導入可能にする、この二つの案を出している。代表になればこの法案の実現に向けて努力する」「(新人女性候補を支援する)WS基金の拡充、具体的な活用方法の取りまとめを早急に行う」などと答えた。
会場参加者からの質問にも2候補者は応じた。「代表選が終わるといがみ合って、分党あるいは離党する、そんな状況があるのではないか」という問いに、前原候補は、「代表選後は枝野さんともスクラム組んで、一致結束して反転攻勢に出る代表選挙にすると固く誓う」と答えた。枝野候補は、「どんな結果が出ても、それはお互い協力して党のみんなで結束して前に進む。そのための代表選挙。そこは安心して」と答えた。他にも「野党連携についての見解」「安倍総理が示した憲法9条3項を新設することへの考え」「農業者戸別所得補償を基盤にした具体的な農業政策」「代表になったらどのように党をまとめていくか」などさまざまな質問が出され、活発な議論を行った。