党加計学園疑惑調査チーム(共同座長=桜井充参院議員、今井雅人衆院議員)は20日午後、45回目の会合を国会内で開き、加計学園問題に関して内閣府地方創生推進事務局、文部科学省の担当者から説明を聞いた。
冒頭で桜井座長は前原代表新体制下で同チーム共同座長としての続投が確定した旨を報告。そのうえで解散総選挙がささやかれている現状に言及し、「通常国会をあれだけ早くに閉めたのも、そして今度は臨時国会の冒頭で解散することにしたのもまぎれもなく加計学園や森友学園の追及を逃れるため。10月に設置審(加計学園の獣医学部新設を認可する文部科学省の大学設置・学校法人審議会)で(認可するどうかが)決まるのだろうがそこまでの間きちんと議論していく。どういう結果になろうとも安倍総理の関与は追及していく」と表明した。
今井座長は「臨時国会で真実をちゃんと説明してほしいということで(開会を)待っていた。ところが政府がその説明する機会をつぶして解散するという。言語道断だ。加計隠し・森友隠し解散と言われているがその通り。このチームでわれわれが聞いていることを全部選挙の前に明らかにして、そのうえで選挙で国民の信を問うということをやってほしい」と述べ、政府関係者の誠実な対応を求めた。
会合ではこれまでも繰り返し質問してきたが明確な説明が示さていない(1)2016年4月2日の今治市職員が官邸を訪れた際の政府側の面談者や1時間半に及んだという面談の詳細(2)加計学園関係者が補助者として出席していたとされる15年6月5日に行われた国家戦略特区ワーキンググループ(WG)ヒアリングに関して加計学園関係者の発言内容の詳細――等についてあらためて説明を求めた。(2)に関しては3月6日時点で示されていた議事要旨(PDFダウンロード参照)と8月25日に公表された議事録(同)で異なる内容が示された経緯もあり、また安倍総理は国会質疑で「国家戦略特区諮問会議の議事もすべて公開」などと発言していた。
今井議員は(2)のヒアリングでは教員数・新しいライフサイエンス等に関して加計学園関係者から説明があったとの話があることから「これで間違いないか」とただしたが、内閣府の担当者は「当初は非公開が希望だったものをすべてが終わった後に座長の判断で透明性を高めるためにできるだけオープンにしようということで公開するための議事要旨を作成して公表した」「当日は全体が非公開という整理がされたこともあって本来であれば説明が許されない説明補助者についても発言してもらったもの」「いずれにしてもそのときの発言は非公式な発言なので公式な発言を記録すべき議事録には記載しないもの」などとする説明を繰り返しただけだった。安倍総理が国会で「すべて公開した」と発言したにもかかわらず、「どの部分を隠しどの部分が公開されたか不明のまま公表するために議事要旨として作成されたもの」程度が公開されているにすぎないことが明らかになった。加計学園関係者の発言詳細の開示を強く求めたが、「議事の内容の公表の仕方については提案者である県・市とも相談のうえで今のような形で公表すると整理した」と述べるだけで内容は明らかにされなかった。
桜井座長は文科省担当者に、加計学園の獣医学部新設認可の結論を設置審が10月に出すとされている点について「選挙のどさくさに紛れて行うようなことはないように」とくぎを刺したうえで、選挙期間中も調査チームとしてこの問題を追及していく考えを表明した。