選挙戦8日目となる17日、蓮舫元代表は秋田県横手市を訪れ、希望の党公認で秋田3区から立候補した村岡敏英(むらおか・としひで)候補の個人演説会に参加し、同じく希望の党比例東北ブロック単独で立候補した寺田学(てらた・まなぶ)候補とともにマイクを握った。
■蓮舫元代表
蓮舫元代表は安倍政権での地方政策について触れ、昭和30年~40年代の高度経済成長時代の公共事業については一定の理解・評価を示す一方、超少子化、超高齢化、人口減少を迎えた現在の日本で安倍政権が高度成長期と同様の公共事業を行い、地方創生という名目で補助金をばらまく旧来型の政治が続いていることに疑問を投げかけた。
「地方創生、公共事業で日本が元気になっているなら、なぜこんなに空き家が増えているのか。空き家が増えているのは高齢化、少子化が進んでいるだけじゃない。地域に産業がなくなり、地域の力が削がれているからだ」「子どもに継いでくれと言えないような農業が広がっているのに、何がTPPか」「TPP絶対反対と言った舌の根の乾かぬうちにTPPを強行採決する国会(運営)を行ったのは自由民主党、安倍内閣、安倍総理だ。自分のやりたいことは力、数をもってやる。でも関心のないことには見向きもしない5年間だった」「皆さんの暮らしを政治がどうやって守るか、体を張って向き合う総理がいなかったことがわが国の不幸だ」とこの5年間を厳しく批判した。
また、安倍政権下での経済政策にも触れ、「株は確かに上がったが、誰がそれで豊かになったか。給与の上昇が行われず、内部留保は400兆を超えた。関係しているのは一部」などと指摘。「株が高くなったのは単純な理由だ。皆さんが預けた年金。ギャンブルではないから仮に株に投資するとしても安全運用で1/4しか年金は使えないと決めていたのを、1/2まで上げたのが安倍総理だ。その結果、数十兆のお金が株式市場に入る。株価が上がって当たり前。いい時もあれば悪い時もあるのが株。いい時は自分の成果だと誇って、仮にリーマンショック級のことが起きた場合、北朝鮮有事が起きた場合。株式市場が大幅にダウンした時、棄損した年金額は誰が払うのか。総理、財務大臣、自民党でも公明党でもない。みなさんの年金が損をこうむる。こんなのが経済政策か」と安倍政権の経済政策を批判した。
その上で、村岡候補について、「誰にも自分の功績を自慢せずに、地道に折衝を行い、形にする。本物の政治家」「村岡さんは国会になくてはならない人材。私たちは2大政党を作ることを目標にしている。村岡さんと仕事がしたい、させていただきたい」と、村岡候補への支持を訴えた。
■村岡敏英候補
村岡候補は、9年間の浪人生活を経て到達した国政で、様々な委員会に精力的に出席し、質問を重ねてきた実績を報告。秋田の基幹産業である農業について触れ、GATT・ウルグアイラウンド交渉で国内消費量の一定量の輸入に合意したMA米(エムエーまい、ミニマムアクセス米)が外食市場で流通する一方、日本の農家が作った米が備蓄米を経て、最終的に飼料米となって消費されていることに懸念を示した。
また、委員会で質問を行うと、不思議なことに自民党議員から良い反応と次の質問のリクエストを受けることを紹介。かつての自民党は党内で積極的な意見交換を行っていたが、今は異なる意見を述べて先輩議員ににらまれると「出世」ができないと、及び腰の自民党議員がいる現状を憂えた。
「地方が駄目になれば東京が駄目になり、東京が駄目になれば日本が駄目になる」「秋田県は総人口100万人を切って90万人、80万人に。今立ち上がって発言しなければいけない」と訴えた。