選挙戦9日目となる18日、蓮舫元代表は愛知県入りし、愛知12区から無所属で立候補している重徳和彦(しげとく・かずひこ)候補の応援演説を西尾市内で行った。

 蓮舫代表は、安倍政権はアベノミクスの成果を盛んに強調するが、日本全国を回り地域の皆さんから声を聴くなかで実態はまったく乖離(かいり)していることに愕然とさせられたと述べ、物価や株価を上げ、公共工事の拡大や『地方創生』の名のもとに補助金をばらまくことで日本を良くしようとする安倍政権と自分たちとでは景気対策の手法、着眼点が違うと主張。「景気が良くならないのは安心が見えないからだ。明日良くなる、あさって良くなる。10年後、20年後自分の未来が見えるなら買い物もするだろう。でもそうではない。子育て世代は、『将来子どもを大学に通わせられるか分からないから今お金を貯めておこう』となる。家を買いたくても我慢するのは教育費にお金がかかるからではないか。人生の先輩方も、温泉に行きたい、お孫さんに何か買ってあげたいと思っても、年金は削られ、いつ介護の世話になるかもしれないというなかではお金は使えない。こうした不安を取り除いて初めて消費が増え、お金が回る」「自己責任だと言って弱い立場の人たちの声を切り捨てるのではなく、立ちはだかっている壁を取り除くことこそが政治の役割だ」と訴えた。

 安倍1強体制のもと特定秘密保護法や安全保障法制、共謀罪法など立憲主義に反する法律が推し進められてきたこの5年間を振り返り、「安倍政権は人口減少、高齢化など、やらなければいけない課題に目を背け、やりたいことを優先させてきた」と批判。「今回の選挙を契機に、皆さんの投票行動によって優先順位の間違った政治ではなく、自分たちの声、思いに寄り添った、まっとうな政治に変えていこう」と呼びかけた。

 「選挙後が勝負。新しい野党の固まりで2大政党を作り、皆さんの選択肢となりうる政治をつくることが私たちの目指す新しい政治だ」と表明。「そのためには今回退路を断って無所属で挑戦する、即戦力の重徳和彦さんが必要だ。皆さんの力で勝たせてほしい」と支援を求めた。

 重徳候補は、安倍総理が今回、北朝鮮情勢が緊迫するなかで衆院を解散したことについて、「危機管理ができていない」と指弾。「外交安全保障政策を行うことができるのは国政のみであり、国を守るというのは国会議員の重要な仕事」だと述べ、安倍政権にはこうした認識が欠けていると非難した。

 北朝鮮情勢をめぐっては、9月に中国を訪れ共産党の幹部と意見交換したことを紹介。米国一辺倒で圧力強化策を進める安倍政権の対応に疑問を呈し、「国会議員は与野党を問わず各国との太いパイプをつくることが大事であり、国際協調のもとで対応する必要がある」と指摘した。 

 重徳候補は、「私は常に地域密着の『地元党』『西尾党』『三河党』だ。地元の思いに応えられずして国政を語ることはできない」と強調。3期目の当選を果たし地元に恩返しをしていきたいと訴えた。