大塚耕平新代表

 民進党は31日午後、新代表選出の両院議員総会を党本部で開き、同日13時までに唯一立候補を届け出た大塚耕平参院議員の代表就任を承認した。

 11月1日に特別国会が開かれることから、「政治情勢等を勘案して特に必要があると判断し、両院議員総会が承認するときは、代表選挙規則に基づく選挙によらず、両院議員総会において代表を選出することができる」とする党規約第12条6項、「代表選挙の立候補者が1人である場合には、党大会又は両院議員総会における承認をもって、選挙に代える」とする同8項の規定にもとづく選出となった。出席議員からは異議なしとの声とともに大きな拍手で承認された。

 あいさつに立った大塚新代表は「皆さまのご調整の結果、大局的な観点から一本化をしていただいたものと思っている。力不足は重々自覚しているが、誠心誠意、代表の職責を果させていただきたい」「民進党の再生に向けて力不足の私をお支えいただけるよう、心からお願いする」と表明するとともに、台風被害に合われた皆さまへのお見舞いの言葉を述べ、1日からの国会でも対応強化に力を尽くす考えを語った。

【発言全文】

 このたび、代表選挙に立候補させていただきました大塚耕平です。皆さまのご調整の結果、大局的な観点から一本化をしていただいたものと思います。力不足は重々自覚しておりますが、誠心誠意、代表としての職責を果たさせていただきます。

 はじめに、毎週末続いております台風等の被害に遭われた皆さまにお見舞いを申し上げます。明日からの国会でも、所要の対策等について、意を尽くしてまいります。

 過日の厳しい総選挙において、勝利された皆さまにも、涙を飲まれた皆さまにも、心より敬意を表します。また、応援に奔走された参議院議員を含む各級議会議員の皆さま、厳しい中でも変わらずご支援をいただいた組織・団体の皆さま、そして国民の皆さまに対し、深く、深く、感謝を申し上げます。

 さらに、選挙直前の民進党を取り巻く厳しい情勢の中で、一時は与党を動揺させ、政権交代の可能性まで語られる状況をつくりだした前原前代表、その後の混乱の中で、短い期間に新党を立ち上げ、多くの仲間を当選に導いた立憲民主党の枝野代表にも、敬意を表します。

 多くの同士のご奮闘、ならびに支援者の皆さまのご尽力により、元民進党の仲間を中心とする立憲民主党、希望の党の当選者は合計で105人、民進党籍のまま無所属で勝ち抜かれた皆さまを含め、3党合計で120人以上の勢力となりました。

 比例票の結果についても認識を共有させていただきます。昨年の参議院選挙では、民進党の比例票は1175万票。自民党の2011万票の58・4%にすぎませんでした。

 今回の総選挙では民進党は届出政党になりませんでしたが、元民進党の仲間を中心とする立憲民主党と希望の党を合計すると2076万票となり、自民党の1855万票を221万票も上回りました。

 多くの犠牲と混乱を伴いながらも、ご支援くださいました国民の皆さまの思いにお応えするためには、この結果を踏まえ、次期総選挙において、立憲民主党、希望の党、そして私たち民進党を中心に、政権交代を実現しなければなりません。

 皆さまと共有させていただきたいことは、次の総選挙で3党を中心に政権交代を実現するという目標です。そして、全てはそこからの逆算で、党勢の立て直し、党運営に当たらせていただきます。

 まずは、地方組織の皆さま、女性議員ネットワーク等の党内各組織の皆さまの意見をよく拝聴したいと思います。そのうえで、総選挙までの中間地点に当たる再来年の統一地方選挙、参議院選挙に向けて、地方組織のあり方を含め、早急に具体的な対策と工夫を始めさせていただきます。

 日本国憲法は「主権が国民に存する」ことを定めています。国民が主権者、国の主であることを実感できる唯一の機会は、総選挙において政府を選ぶ時、政権を選択する時です。私たちには、主権者である国民の皆さまに、政権選択の機会を提供申し上げる責務があります。

 国会ができて128年、普通選挙になって71年、なかなかその機会を実感できなかった日本において、政界、労働界、学術界、財界等の諸先輩のご努力によって、1996年に小選挙区制が導入され、2009年、ようやく本格的な政権交代が実現しました。

 私もその過程で当時の民主党に参加させていただきました。自由党と合併し、国民新党や社民党と連携したことも、政権交代の原動力であったことは言うまでもありません。

 次期総選挙へのカウントダウンは既に始まっています。志と目標を共有できる他党の仲間と手を携え、次期総選挙での政権交代実現に向けて、まずは統一地方選挙と参議院選挙で党勢拡大を実現するため、代表としての務めに、粉骨砕身、全力で取り組む所存です。

 もちろん、政治は選挙に勝つこと自体が目的ではありません。そのことによって、今よりも良い政治、政策、社会を国民の皆さんにお届けするためです。

 まもなく丸5年が経過する安倍政権の経済政策、社会保障政策、安全保障政策、いずれも問題点は明確です。それらを正し、国民の所得水準を向上させ、保育や教育、医療や介護に対する不安を和らげ、技術革新の流れに遅れることのない産業政策や人材育成策に腐心し、国際社会の中で平和を主導できる国を目指すことが民進党の役割です。労働者、納税者、生活者に軸足を置いた政治と政策体系を実現し、日本をより良い国にすることが私たちの使命です。

 実現したい政策は枚挙に暇がありません。政権交代を実現し、私たち自身の手で政策変更に取り組むことが不可欠です。民進党を中心とした勢力が、政権を担い得る政治集団として、国民の皆様にお認めいただけるよう、党の再生と運営に当たらせていただきます。

 次期統一地方選挙、参議院選挙、そして、その先の総選挙を見据え、重ねて、力不足は重々承知のうえですが、皆様のご協力、ご指導も賜りながら、党一丸となれるように、全力で党務に当たらせていただくことをお約束申し上げ、決意表明に代えさせていただきます。

 普段、私はあまり原稿を読まないのですが、きょうは間違えてはいけないということで、原稿を読ませていただきました。

 皆さん、明るくなければ国民の皆さんは決してこの政党に政権を委ねたいというふうにはお思いにならないと思います。厳しい状況ではありますが、明るく、そして国民の皆さんに未来を実感していただけるような、そういう民進党の再生に向けて、力不足の私をどうぞお支えいただきますよう心からお願い申し上げまして、代表就任に当たってのご挨拶にかえさせていただきます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

以 上

PDF「20171031大塚耕平新代表プロフィール」20171031大塚耕平新代表プロフィール

PDF「20171031大塚耕平候補 推薦人名簿」20171031大塚耕平候補推薦人名簿