民進党の増子輝彦幹事長と希望の党の古川元久幹事長は14日、統一会派問題について東京都内で会談、両党が先行して統一会派を組むことで大筋で合意したと明らかにした。

◆  ◆  ◆

 会談後に共同で記者会見した増子・古川両幹事長と記者団との一問一答の概要は次の通り。

 記者 本日の会談内容から。
 増子 まず、ご報告を申し上げる。今日まで希望の党、民進党で統一会派についての協議をしてきた。関係者の皆さんの大変なるご努力によって、ようやく、大筋合意がほぼ出来上がりつつあるという状況まで至った。今日はそのことをあらためて古川幹事長と私と協議をしながら、明日午前8時から2幹2国(両党の幹事長・国対委員長会談)を開いて、最終的な合意ということにしたいということになった。まだ若干、詰めるところがあるが、ほぼ大筋合意に近づきつつあるということで、今日は大変有意義な会議だったと思う。
 古川 安倍1強政治に対峙(たいじ)していく、そうした野党としての大きな固まりを作っていく。特に今度の通常国会は働き方改革が最大の焦点となってくる。私たち、働き方改革に対して、同じ思い、働く人たちの立場で、過労死などを根絶できるような、真の働き方改革を実現する、そういった意味でも協力体制を取っていく、そしてしっかりと安倍1強政治に働き方改革をはじめ対峙していく固まりをつくっていく、その第1ステップが民進党との統一会派をつくるということだと考えている。そういった意味で、本日、関係者の皆さん方のご努力を頂いて、いま増子幹事長からあったように、大筋合意に向けて、ゴールが見えてくるというところまできたので、明日の2幹2国を開いて、そこで最終的な合意をして、それぞれが党内の手続きに入っていくことを決められればなと思う。

 記者 党内には異論があるが、今後の党内調整について。
 増子 私どもが示した基本方針は、先ほど古川幹事長からもあった通り、この通常国会は、極めて重要な国会であるということ、働き方改革の問題もあるし、北朝鮮の核ミサイルの問題もあるし、世界経済もどういう状況になっていくか分からないということ、様々な課題に対処するために、やっぱりわれわれは国民の生活をまず最優先に考えていかなければならないので、そういう意味ではしっかりと会派を組んで、この国会に臨みたいというなかから、いくつかの極めて難しい問題もあったが、希望の党さんにもだいぶ譲っていただいたし、私どもも、かなり譲歩した。できれば3党一緒、立憲も含めての会派ということだったが、現時点では、立憲がなかなか協議に応じていただけないということで、希望としっかりとこれらの問題に対処するために、難しい点はあったが、お互いが譲歩しつつ、国民の生活のために、国会対応のために、大きな固まりをつくれればということで、関係者の皆さんのご努力に重ねて感謝と敬意を表したいというのがいまの私の率直な気持ちだ。
 古川 これまでも、党の皆さんのいろいろな意見もしっかり聞いて調整を進めてきた。これからもしっかりまた党内の皆さんに説明をして、わが党としての、結党以来のいろいろな議論を踏まえての、現在の立ち位置を超えない範囲のなかで調整ができていると思っているので、そこはしっかり説明をすればご理解いただけると思っている。

 記者 増子さんは「大筋合意できつつある」と言ったが、幹事長間では大筋合意して明日2幹2国で最終合意するということでいいのか。安保関連法めぐる文言の折り合いは
 増子 私と古川さんの間では、事実上を合意したといっていい状況だ。国対委員長も含めて明日2幹2国で、しっかりと最後の詰めをして、最終的な合意になればという思いでいるので、そういうことでご理解いただきたい。安保政策を含めた、この非常に悩ましい部分は、わが党でも譲るべきは譲る、譲らないところは譲らない、そういう前提でこの協議に臨んだ。私は十分、わが党の中でも今後いろんな意見が出るかもしれないが、これは乗り越えることができる内容ではないかと思っているので、中身についてはまだ、皆さんに具体的に、この時点で申し上げるわけにはいかないので、明日の2幹2国の会議のあとに、正式に皆さんに文章を配りながら、この点についてはご説明をさせていただきたい。
 古川 いま増子幹事長から話があった通り。安保法制についても、私どもも、私どもの党の今現在の立場のなかで理解できる、そうした部分については、譲るところは譲りながら、しかし私たちの立場をきちんと党の中で、今最終的な調整をしているというところだ。

 記者 両院総会など必要だが、予定は
 増子 当面のスケジュール感としては、明日朝の2幹2国のあと、できるだけはやい時期に、明日、執行役員会を開催したい。その上で常任幹事会、併せて議員総会、そして地方の代表の皆さんにも集まっていただいて説明をしながら、了承をいただきたいと思っている。
 古川 明日最終的な2幹2国で合意に至れば、そのあと速やかに党内手続きに入っていきたいと思っている。まだどの段階で役員会を開くとか、両院議員懇談会・総会を開くとか今決まっていないが、明日の合意を受けて、また代表とも相談しながら日程についても決めていきたい。

 記者 参院会派の締め切りは実質締め切りは17日だが、それに間に合う形で党内手続きを済ませるのか。
 増子 これは国対ともよく相談しているが、必ずしも日にちでデッドラインが設定されているわけではないので、そこはしっかりと慎重に丁寧にやっていきたい。しかしやっぱり国会対応というものがあるから、できるだけそこは私どもも考えながら、通常国会に間に合う体制でやっていきたいと思っている。
 古川 まさにそこは通常国会は22日に開会ということは決まっているので、そこに向けてこれまで協議をしてきたので、そういうものにちゃんと間に合うことを念頭に置きながら、これから党内の調整を進めて行きたいと思っている。

 記者 希望が10日に民進から投げられた文章に打ち返したあとに、12日に一度両党の幹事長会談があったと思うが、今回のは2回目か?
 増子 やっていない。
 古川 やっていない。
 増子 ただ、私どもが示した基本方針に対して、希望の党から打ち返された。それについては党内での議論をして、われわれとしてもそれに対して希望に打ち返したので。その結果のいま協議がここまで行われてきて、ほぼ大筋合意に近づいたということなので、明日の2幹2国で正式に合意できればということでいまそのスケジュール感のなかで進めているということだ。

 記者 働き方改革をめぐる3党間連携。立憲の幹事長にはいつ協議の場を申し入れるのか。
 増子 これについては、すでにもう申し入れをさせていただいた。しかし残念ながら立憲が独自に対案的なものをつくりたいということで、すでに手続きを終えたといういことを福山幹事長からお聞きしたので、私どもできれば3党という思いを持っていたが、これについても希望と一緒になって、働き方改革に対しての対案的な対応を進めていくということで、事実上、私どもも政調会長にそのお願いをしたところだ。

 記者 増子さんに。打ち返しの文章は、安保法制について、違憲という言葉は入っているのか
 増子 明日の2幹2国で最終的な大筋合意ということになるので、それまではいまここで申し上げるわけにはいかない。しかしかなりの部分で歩み寄りができたと。おたがい主張するところは主張する、譲るべきは譲る。そういう形のなかでの合意がほぼできつつあるということ。党内でこれからまたいろいろな議論があるかもしれないが、私は十分それには答えることができる内容ではないかと思っているので、明日の2幹2国の会議のあと文章をお渡しするので、ご判断をいただきたい。

 記者 大筋合意とは、民進と希望の2党で先行をすることについての大筋合意?
 増子 おっしゃるとおり。引き続き立憲には、私どもとしてはお願いをし続けていきたいと思っている。

 記者 統一会派を党としてすることになった場合、衆院では野党第1会派になるという認識か。
 増子 もちろんそういう認識だ。