大串博志国会対策副委員長が衆院予算委員会で行われた2015年度補正予算の審議で質問に立ち、GPIFによる年金積立金運用リスク、安保法制の問題などに関して安倍総理ら関係閣僚の見解をただした。
大串議員は冒頭、8日の東京株式市場の株価終値が17697円96銭で年明けから5日連続下落し、戦後取引が開始されて以来はじめての異例の事態に陥っていると指摘。このように資産価値が乱高下するリスク資産である株式に「国民の大切な年金の資産、積立金を50%に至るまで投資し、運用することは本当に正しいことなのか」と総理の見解を求めた。
総理は、「現行のポートフォリオは、旧ポートフォリオと比較して市場の影響等による一時的な損益のぶれ幅が大きくなったことは確かだ」と認めたものの、「5日間だけを見て云々かんぬんではない」と国民の資産を減らしていることをまったく意に介さない無責任な答弁に終始。
これに対し大串議員は、「リスクが大きくなるところに国民の大切な年金積立金をさらすことは問題だ。この点を一番、国民が心配している」と指摘し、今後ともこの問題を追及していくと述べた。
続いて大串議員は、安保法案が強行採決された際の写真を示しながら、これは与党議員が特別委員長席を囲んで強行採決を行ったことから「人間かまくらーズ」と言われると指摘。委員長席が与党議員に囲まれ何も聞こえない中、与党議員により採決が強行され、意思決定がなされたという議会制民主主義を冒とくする手続きに対しての総理の認識を質した。
安倍総理は、「与野党で議論がかみ合わない。賛成・反対に分かれる場合もある。しかし議論が熟したと委員会が判断すれば当然採決ということになる。採決の状況については野党にも責任がある」と、またしても野党に責任を転嫁。
これに対し大串議員は「野党の責任と言うのは聞き捨てならない。『人間かまくらーズ』によって強行採決したのは与党の方だ。野党は十分な審議をやろうと提案してきたのに野党の責任とはどういうことだ。憲法違反との指摘に対する疑念をまったく払拭できておらず、論点はまだまだ残っており、とても採決できる議論の状況ではなかった。にもかかわらず衆参両院で強行採決し、議論が打ち切られたのであり、野党の責任ではない」と強く反論した。