衆院TPP特別委員会で8日、2日目の総括質疑が行われ、民進党の緒方林太郎議員の質問が行われていたが、石原TPP担当大臣の答弁や西川衆院TPP特別委員会委員長の委員会運営を不服として、民進党の委員会メンバー全員が退席し、記者会見を開いた。

 緒方議員の質問では、西川委員長が出版予定の著書のゲラについて、4月1日に内閣官房TPP政府対策本部が党「TPP交渉過程解明チーム」に提出した資料(添付参照)を示し、西川委員長の著書執筆への各省職員の関与をただしたが、石原大臣は「ゲラを承知していない」などと答弁をはぐらかし続けた上に答弁を拒否するという姿勢を見せた。さらに、こうした場合に本来であれば大臣に注意を与えたり、審議を一時中断して議場内交渉を促すなどする立場にある西川委員長が、自身に関わる案件であるためなのか、そのような公正・中立な差配を一切行わず、到底、中身のある審議とは言えない状況が続いた。

資料1 内閣官房TPP政府対策本部が提出した資料

資料1 内閣官房TPP政府対策本部が提出した資料

 同委員会野党筆頭理事である近藤洋介議員は「答弁拒否の大臣は初めてだ。こういう状況の中で、西川委員長も非常に不公平な議事運営をし、与党議員の要求をのんで審議続行を強行した。そうなると、これ以上同じことを繰り返しても仕方がない。答弁拒否をされ、時間を無為に使われることは許されない」と退席理由を説明した。

 さらに近藤筆頭は、こうした西川委員長の姿勢は、審議入り前の与野党の合意(資料2参照)にも反するとして強く抗議した。

資料2 衆議院TPP特別委員会開催に関する合意事項

資料2 衆議院TPP特別委員会開催に関する合意事項