衆議院補欠選挙の選挙戦2日目の13日、北海道5区の池田まき候補の応援に、民進党の玉木雄一郎衆院議員が駆けつけ、農業地帯の石狩管内当別町と新篠津村の2カ所でマイクを取り、衆院TPP特別委員会の審議の状況や自民党政権の農業政策の問題点などについて話した(写真はTPP交渉経過の黒塗り資料パネルを示しながら演説する玉木議員)。
党「TPP交渉過程解明チーム」座長を務める玉木議員は、JA新しのつ前での演説で、「TPP特別委員会の審議がストップしたために今日ここに来られることになった」と切り出し、「このTPPが、どのような交渉過程でどのような内容を決めたのか、一連の情報を出してもらいオープンな議論をしたいとお願いしてきたが、政府の出してきた資料がこのように真っ黒だ」と、「黒塗り資料」のパネルをかざした。
一方で、甘利前担当大臣が昨年の記者会見でアメリカとのコメ輸入量の交渉過程を自ら明らかにしたり、西川特別委員長が交渉内容の詳細を書き込んだ著書を出版しようと準備していたことなどの事例を挙げ、「こんなでたらめなことをやっているのに、国民生活、特に農業を営んでいる方に影響を与えるTPPの審議などできるわけない」と声を強めて批判した。
また、JA事務所の前の場所柄、昨年8月に成立した農協法改正にも触れた玉木議員は、「中身が全くのでたらめだ。なぜ全中の業務監査を改めれば農業者の所得が倍になるのか。風が吹けば桶屋がもうかる方がまだ因果関係がある。とにかくでたらめなことをやって、改革のための改革をやって、農業にも携わったことのない、地方にも住んだことのない人をだますようなことをやって、さも改革をやったように見せかける。しかし農家や地域にはちっとも役立たない。つまり現場を全く無視した政策が東京のど真ん中で行われようとしている」と説明。
さらに、第2次安倍政権になって以降、農業所得も下落していることを示し、「これ以上、農家の所得を削り、地域の経済を痛めていく今の政策を変えようではないか。生活を守り、地域を守るためにも、この北海道5区から新しい政治の流れを作っていこう」と呼びかけ、池田まき候補への支持を訴えた。