岡田代表は2日、福岡県内での遊説日程を終えて記者団の取材に応じた。

参院選、衆院選の候補者擁立に関して

 記者団から、福岡選挙区の情勢をどう見るかと問われ、「大きな選挙区なのでまだよく分からない。古賀(之士)さんの知名度は高いが、参院選に立候補していることを分かってもらうためにとにかく動き回ることが必要だ。非常に分かりやすく、いい話をするので、やればやるほど支持は広がると思っている」と述べた。

 ダブル選挙が取りざたされている衆院選挙に関連して、まだ総支部長(=候補予定者)がいない選挙区について今後の見通しを問われ、「福岡はかなりめどが付きつつある」とし、擁立状況全体については「小選挙区295を全部埋めるということはできないかもしれないが、なるべく埋める」「(衆院議員475議席の過半数を超える)250近くはめどがついている。いつでも戦える」と自信を見せた。

 隣県の佐賀県について、まだ参院選の候補者が決まっていないことについて状況を問われ、「誰でもいいから立てるというのならできるが、佐賀はいい候補を立てれば勝てる。そういう前提で努力してもらっている」と述べた。

 野党統一候補の動きが進んでいないのでは、との問いには「それぞれの選挙区でいろいろな事情があって、現場で苦労しているところもある。しっかりと信頼関係をつくって話し合っていただくことが大事だ」「一律ではない。県ごとに各党との関係がある。公認もあれば推薦もあるし。勝つために何が必要かという観点で決めていかなければいけない」と述べた。

 共産党の小池書記局長が記者会見で、共産党の公認候補者を野党統一候補とすることが実現していないのが残念という趣旨の発言をしたことについて受け止めを問われ、「いろいろな話し合いの中で決まってきているもの。今なぜそういうことを言うのかよく分からない」と述べた。

選挙の争点について

 参院選の争点については「憲法の平和主義が変えられようとしているということと、アベノミクスが限界にぶち当たって新しい経済政策が必要だということ。1人ひとりが豊かになるという考え方で経済政策を打ち出さなければいけない」と語った。

 3日の憲法記念日に関連して、自民党の二階総務会長が「参院選は憲法改正の旗を振りすぎると勝てない」と発言したことについて受け止めを問われ、「二階さんのような発言は自民党の中にはかなりある。高村さん(自民党副総裁)も北側さん(公明党副代表)も、テレビの討論では憲法は争点ではないような言い方をしている。争点にしたくないのだろう。ただ、安倍総理がとにかく憲法だと言っている以上、必ずやってくると思う。これが大きな争点の1つだということは間違いない」との見方を示した。

 これに関連して、安倍総理の進める憲法改正に反対するという主張の一方で、民進党綱領に掲げる「未来志向の憲法を構想する」という面が弱くなっているのでは、との問いには「憲法は時代の変化とともに、改正について議論すべきだという考え方は、いつも明確に申し上げている」と強調した上で、「ただ、立憲主義を理解せず、平和主義を変えようとしている総理の下での議論というのは、よほど気をつけないといけない」と述べた。さらに「参院選で9条の改正、平和主義を変えるということの是非を、国民の皆さんに判断していただきたい。むしろこちらから争点化していきたい」と意欲を示した。

 消費増税延期についての党としての見解を問われ、「総理が『リーマンショックのようなことがない限りは予定通り上げる』と言っている時に、われわれが上げないことを前提に議論するというのは違うと思う」とした上で、「いずれにしても終盤国会で議論することになるだろう」と語った。