民進、共産、お維、生活、社民の野党5党は12日午後、「性暴力被害者支援法案」(性暴力被害者の支援に関する法律案)を共同で衆院に提出した。

  性暴力の被害者は、警察に被害届けを出した人がわずか3.7%とのデータがあり、顕在化しにくい等の特殊性があることから、本法案は、性暴力被害に特化した支援を法定化することを目的としたもの。(1)性暴力被害者支援に関する基本理念、国、地方、支援者の責務を明記する(2)国、都道府県の性暴力被害者支援計画の策定を定める(3)各都道府県に1カ所以上の性暴力被害者の支援を行うワンストップセンター設置を促す(4)性暴力被害者に対する被害直後あるいは継続的な医療的・心理的支援、被害者が子どもである場合の支援などを定める(5)政府の施策が効果的に行われるために、関係省庁が横断的に連絡調整を行う性暴力被害者支援連絡会議を設置する(6)性暴力被害者に寄り添った支援が行われるよう、当事者や支援に関わる民間人をメンバーとする性暴力被害者支援審議会を設置する――等の内容を盛り込んだ。

 提出後の記者会見で提出者の重徳和彦衆院議員は、「女性や若者を救うために敷居の低い支援体制が不可欠 」と強調。筆頭提出者の阿部知子衆院議員は、「性暴力の被害を受けた人に、『あなたは悪くない。あなたを守って支えたい』というメッセージを伝えたい。与党にも働きかけて、国として財源の裏付けをきちっと行い、被害者が安心してかけこめるワンストップセンターを設置したい」と法案成立に向けた意気込みを語った。

PDF「性暴力被害者支援法案の概要」性暴力被害者支援法案の概要

PDF「性暴力被害者支援法案要綱」性暴力被害者支援法案要綱

PDF「性暴力被害者支援法案」性暴力被害者支援法案