岡田克也代表は20日、党本部で定例記者会見を開いた。

 冒頭、岡田代表は「沖縄県でき表現することすらできないような女性の行方不明事件で、米軍関係者の関与が明らかになったことについて、関係者の皆さんに心からお見舞いを申し上げたい」と述べ、「こういうことが繰り返されることは怒りという言葉で表せない憤りを感じる。こういうことが起きないように政府にも米国政府にもしっかり対応してもらいたい」と怒りをあらわにした。

 2点目はサミットについてコメントした。伊勢志摩サミット前の岡田代表自身の定例記者会見が最後になることを踏まえて「サミットは幅広く議論されるということだが、いい結論が得られることを期待している。世界経済についてもリスクが強くなっているのは当然の前提だが、現時点でただちに世界経済が危機的状況にあるわけではないわけで、認識が安倍総理と他の国の首脳と食い違いがあるのではないかと思う」と見解を述べた。

 さらに岡田代表は「党首討論でも申し上げたが、そこの認識が違うと処方箋も違う。機動的財政出動もこの1年間の目の前の危機に立ち向かうのであれば、リーマンショック後のように財政出動でいいが、2、3年のタームを見るのであれば、むしろ(処方箋は)構造改革であるべきで財政出動ではない」と安倍総理との現在の経済状況に対する処方箋の違いを述べた。続いて「財政出動にもいろいろあるが、すでに決まっている社会保障充実策を前倒しでやっていくことで、より安定した国民生活を確保していこうということであれば分かるが、公共事業中心の財政出動は理解できない。自民党の中にも予定通り(消費税を)引き上げたうえで、考えられないような大きな財政出動を期待している声もあるが、私にはまったく理解できない。国の財政状況をしっかり踏まえたうえで、現実的でかつ意味のある政策をしっかりやっていかなければいけない」と安倍総理の考えている財政出動が大規模な公共事業中心の財政出動になることをけん制した。