江田憲司代表代行は22日午後、岡山市内で開かれた「民進党岡山県連 結党・第1回定期大会」「江田五月会決起大会」に来賓として出席。安倍政権の暴走阻止、政権奪還のために力を合わせて頑張り抜きたいと力を込めた。
江田代表代行は結党大会でのあいさつの冒頭、「『民とともに進む』という意味を込めて『民進党』とさせてもらった。ここで言う『民』というのは働く者、生活者、消費者、納税者であり、あくまでも国民とともに、その立場に立って進む。特に社会的に弱い立場にある人に手を差し伸べながら進むんだという意味を込めた」「何より、安倍政権の暴走にストップをかけたいという一心で大同団結した」と民進党結党にかけた思いを強調。安倍政権の暴走の一例として、多くの憲法学者が違憲と断じる安全保障法制の強行や、放送法を所管する高市総務大臣の衆院予算委員会での『電波停止』発言などを挙げ、「いつか来た道のようなにおい、危険を感じる。しっかりと自民党のライバル政党としてストップをかけなければいけない」と説いた。
経済政策については、「アベノミクスは3年以上が経ち、その限界が露呈し行き詰まっている。国民の多くは景気回復を実感していないどころかどんどん給料が目減りし、財布のひもは固い。消費は伸びず景気はどんどん悪化しているのが現状だ。アベノミクスの第2の矢である財政出動によって年間5兆円の公共事業を10兆円に増やしたが、ばらまき過ぎて消化不良を起こし、毎年2兆円、3兆円も余らしている」と指摘。「こうした財源を介護や子育て・教育支援に充てることで国民の生活を豊かにする、家庭の懐を少しでも温かくして消費の拡大、さらには経済成長につなげる。それが税収を生めばその果実を国民の生活に配分することができるという、新しい需要サイド、消費者や生活者の立場に立った経済政策に変えていかなければいけない」となどと主張した。
江田代表代行は、参院選挙での勝利を誓うとともに、衆参のダブル選挙の可能性にも言及。「常在戦場。いつ衆院選挙があってもおかしくない。しっかりと準備を進め、政権奪還のために皆さんと力を合わせて頑張り抜きたい」と述べ、さらなる支援をと呼びかけた。
結党・第1回定期大会に引き続いて開かれた江田五月会決起大会では、江田五月最高顧問の後継者として7月の参院選挙に民進党公認候補として出馬予定の黒石健太郎(くろいし・けんたろう)氏が決意を表明。県連副代表を務める黒石氏は、1984年生まれの32歳。株式会社リクルートに入社後、人材採用・育成の営業、新規事業の戦略企画、ニートや引きこもりの支援に取り組む社会課題解決事業の立ち上げに従事。2013年には株式会社ウィルフを設立し代表取締役社長に就任。起業家率を高め、雇用を創るため、学生が起業を学ぶビジネススクールを運営している。
黒石氏は、江田最高顧問の志を引き継ぐに当たって、「発展的に引き継ぐ。課題解決型の野党として、しっかりと政策を実現し課題を解決していく野党、政党を実現していく」と表明。「江田さんから絶対に引き継がなければいけないと思っていること」として、(1)政権交代可能な2大政党制をつくるという旗を掲げ続け、実現していくこと(2)その志をしっかり形にしていくための不屈な精神――の2つを挙げたうえで、今後政権交代を実現できるとすれば、国民に「とにかく変えることが必要だ」ということだけでなく、政権担当能力を比較したうえで「民進党に任せよう」と思ってもらえる受け皿をつくってことが必要ではないかと説いた。
具体的な政策として特に(1)格差や貧困の連鎖を食い止め、教育機会の不均等を改める(2)地方で起業する、地方から雇用を創出できる仕組みをつくる(3)立憲主義と民主主義を守る――の3点を強調。「今度の参院選挙はこれからの国の形を決めていく極めて大事な戦いになる。参院選挙での勝利だけでなく、政権を担当できる課題解決型の政党をつくり上げていく。そのために 江田五月さんの思いを発展的に引き継ぎ、未来をつくり出すために全力で頑張っていく」と力を込めた。
江田最高顧問は、政権交代の実現を掲げて駆け抜けてきた自身の足掛け40年間の議員生活を振り返り、自身の後継者である黒石氏の当選を期して全力を尽くすと表明。集まった支援者らに「力を貸してほしい」と呼びかけた。