枝野幸男幹事長は6日午後、遊説先の鹿児島市内での下町かずみ参院選候補予定者との街頭演説会、連合鹿児島との意見交換と一連の日程を終え、記者団の取材に応じた。

 枝野幹事長は、連合鹿児島との意見交換について、「下町さんの選挙に向けて連合の皆さんに大きな力を発揮していただくことが、戦うスタートライン。党としても全力を挙げるので連合の皆さんにも総力を挙げた戦いをお願いした」と話した。

 参院鹿児島選挙区で野党候補の一本化ができたことには、「1人を選ぶ選挙では多様な国民の考え方を2つに集約して選択をしていただくのが間接民主主義の中での基本構造。その基本構造を作れたことは大変良かった。そのために多くの方がご尽力されたことに敬意と感謝を申し上げたい」とコメント。そのうえで、「あくまでもスタートラインであり、今の政治に不信と不満を持っている皆さんの声をしっかりとその構造のなかで受け止めていくのはこれからだ」と力を込めた。

 「保守地盤が固い鹿児島で下町候補予定者にはどのようなことを訴え戦ってほしいか」との問いには、「少なくとも今の安倍自民党は多くの保守の皆さんが考えている保守とは違う」と指摘。「ふるさとを壊し、地域経済を壊し、日本の伝統的な平和主義を壊し、あらゆる日本の本来保守が守るべきものを壊しているのが安倍自民党だということをどれだけ知っていただけるかということだと思う」と述べた。

 甘利前大臣が同日活動を再開したことを受け、「国会が閉じ、追及されにくい状況になったら出てきたというのはあまりにもみえみえではないか。国会が終わるまでは病気と称し、国会が終わったので好きなことをやるというのは厚顔無恥だと言わざるを得ない」と厳しく非難。「不起訴処分は出たが検察審査会に申し立ても出ており、疑惑が晴れたわけではない。政治的、道義的責任については説明も責任も果たしていない。国会は閉じているが閉会中審査という仕組みもあるわけであり、出てこられる状況にあるのだから自分の選挙や参院選挙の運動をやる前に予算員会の閉会中審査でしっかりと約束をした説明責任を果たす。それなしに選挙運動をやることは許されるものではない。われわれとしてはそのことを強く求めていく」と語気を強めた。

 参院選挙で18歳選挙権が導入されるに当たっての、若い世代へのアピールについては、「民進党は綱領の中でも理念として『未来への責任』を掲げている。目先のことだけでなく、5年、10年、20年、30年先を考えた政治がないと一番困るのは若い世代の皆さんであり、われわれは常にそのことを大事にして物事を組み立てていく政党だということをできるだけ多くの皆さんに知っていただけるよう頑張っていきたい」と述べた。