岡田克也代表は7日、候補者の応援のために入った神奈川県横浜市と愛知県名古屋市で、それぞれ記者団の取材に応じた(写真上は名古屋市内で取材を受ける岡田代表)。

【参院選全般について】

 報道各社が与党優勢を報じる中で、残り3日間どう戦うかとの問いには、「最近の国政選挙は1週間前の状況がさらに加速するという傾向がある」とし、「だから私は『ここで立ち止まって本当に考えて下さい』と申し上げている。憲法改正できる体制を本当に国民の皆さんは作ろうとしているのか。あるいは、アベノミクスのアクセルを踏むと言っているが、金融面ではほぼ手詰まりだから、財政出動ということになってまた大きな借金を残すことになると、昔の自民党と変わらない。そういう路線で本当にいいのかということを一人ひとりが考えていただきたい。これは国民の良識と安倍政治との戦いだ」と強調した。

 改選数4議席に対し、民進党から金子洋一候補、真山勇一候補の2人を擁立し、大混戦となっている神奈川選挙区の情勢については「最後まで分からない。わが党としては2議席確保。そのために最後まで全力を尽くす」と述べた。

  同じく改選数4議席に対し斉藤よしたか候補、伊藤たかえ候補の2人を擁立している愛知選挙区についても「何とか2議席という一念だ」とし、とくに伊藤候補については、「(擁立の)出遅れを、応援して下さる皆さんのエネルギーと何より候補者の馬力で追いついてきた」と手応えを見せた。

 7日が七夕であることから、短冊に書くとすれば何と書くかと問われ、「祈・必勝」と応じた。その上で、「(報道では与党が)3分の2の 議席とか自民党で過半数とか言われているが、最後は有権者の皆さんの良識と安倍政治との戦い。3分の2を許してしまってはいけないという声が、必ず最後は選挙の結果に結びつくと確信している」と自信を見せた。

【安倍総理の民進党批判について】

 安倍総理が保育政策について「保育所の受け皿作りは民主党政権時代の倍のスピードでやっている。待遇改善もわれわれはやったけれども、民進党は批判ばかり」などと演説したとされ、これについて受け止めを問われると、「総理大臣として非常に恥ずかしい発言だ」と切り捨てた。

 その上で岡田代表は、「制度を作って法律を通したのは民主党政権の時代、3党合意でやった。中身も相談して、最終的に自公両党の意見も受け入れて、予算も7000億円と決めたが、そこで民主党政権は終わった」「実際に制度が動き出したのは安倍さんになってからだが、安倍さんがやったわけではない」と反論。「民主党政権より増えてるというのは、きちんと民主党政権の時に制度を作ったからで、それを分かっていて『民主党の時はひどかったけれども、私はこれだけやっている』など、総理大臣が言う話ではない。メディアもこのいい加減さ、ひどさを伝えてもらいたい。こんなことは今までの総理大臣にはなかった」と憤った。

【東京都知事選について】

 自民党の小池百合子衆院議員が6日に出馬表明をして、都議会冒頭解散を掲げたことへの受け止めを問われ、「意味不明」と切り捨てた。その上で、「この時期に、テレビがほとんど知事選の話になると、結果的に参院選挙に関する露出が減り、関心が薄れている。そのことは、与党を利しているということをぜひ、よく考えてもらいたい。大事な国政選挙の最中に、まだ候補者も決まってない、個人で出るとか出ないとかの段階の話より、参院選挙大事だということを肝に銘じてもらいたい」と苦言を呈した。

 民進党としても候補者擁立の作業は進めているものの、作業の途中段階で話すべきではないとした。