岡田克也代表は9日、長崎市の平和公園で開かれた「被爆71周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に民進党代表として初めて参列し、献花を行うとともに、原爆死没者への慰霊と世界の恒久平和への祈りを込めて黙とうを捧げた(写真上は、献花を行う岡田克也代表)。
原爆投下時刻の午前11時2分の黙とうに続き、田上富久長崎市長は「平和宣言」を読み上げた。田上市長は「核兵器は人間を壊し続ける残酷な兵器だ」と断じた上で、オバマ大統領が米国の現職大統領として初めて被爆地の広島を訪問したことについて、「オバマ大統領は、その行動によって、自分の目と耳と心で感じることの大切さを世界に示した」と評価し、「核兵器保有国をはじめとする各国リーダーの皆さん、世界中の皆さん、長崎や広島に来てください。原子雲の下で人間に何が起きたのかを知ってください。事実を知ること、それこそが核兵器のない未来を考えるスタートラインです」と、呼びかけた。
田上市長は、国連、各国政府及び国会、NGOを含む市民社会に向けて、「核兵器の無い世界の実現に向けた公的な枠組みに関する協議と交渉の場を設けて欲しい。人類社会の一員として、解決策を見出す努力を続けてください」と訴えた。
日本政府に向けて田上市長は、「核兵器廃絶を訴える一方で、核抑止力に依存する立場をとっている。この矛盾を超える方法として、非核三原則の法制化とともに、核抑止力に頼らない安全保障の枠組みである北東アジア非核兵器地帯の創設を検討して下さい。核兵器の非人道性を知る唯一の戦争被爆国として、非核兵器地帯という人類の一つの英知を行動に移すリーダーシップを発揮してほしい」と求めた。
田上市長は、「被爆者の平均年齢は80歳を超えた。世界が被爆者の居ない時代を迎える日が少しずつ近づいている。戦争、被爆の体験をどう受け継いでいくかが問われている」と話し、若い世代に向けて、未来のために過去に向き合う一歩を踏み出そうと呼びかけた。
式典には、地元長崎県から髙木義明衆院議員、馬淵澄夫衆院議員が出席した。