民進党は11日午後、党代表選挙管理委員会主催の北関東ブロック候補者集会をさいたま市内で開催した。蓮舫、前原誠司、玉木雄一郎の3候補が約500人の党員・サポーターらを前にそれぞれの決意、民進党のあり方、目指すべき社会像について所信を表明した後、候補者間で討論。ゲストスピーカーの発言や会場からの質問に対しもそれぞれ見解を述べた。集会に先立ちJR浦和駅前で街頭演説も行い、日本社会の現状、改革の方向性などについて広く訴えた。

浦和駅前で演説する蓮舫候補

浦和駅前で演説する蓮舫候補

 候補者集会の討論では、「(政策遂行にあたり)行政改革を行ったうえでの借金や増税なのか」「岡田路線を提案型でなく批判型の路線だったと見ているか」「国会論戦を批判型や提案型等、どういうスタイルで行うのか」「2010年の岡田外相時の辺野古移設決定を踏襲するか」「憲法9条のあり方について」が取り上げられた。

 ゲストスピーカーとして株式会社太陽商工代表取締役の池田由希子氏から女性の働き方について発言があった。「私どもの会社では女性の働き方として約20年前から在宅勤務を始め、現在でも何人かが利用している。これは女性が長く働き続けるうえで大変良い方法だ」と提案した。また、高い教育費を捻出するために引き起こされる家庭のひずみを正すために高校までの教育や地域社会のあり方を変えるべきだと指摘した。 

前原誠司候補

前原誠司候補(同)

 会場の参加者からは、「地方創生と医療費の無料化についてどう考えているか」「大いにイメージチェンジを図ってほしい」「数年前の分裂のような轍を踏まないよう結束してほしい」「地方組織の意見を聞くべきだ」「地方議員をどう増やしていくのか」「高江ヘリパット問題は現場視察をしたうえで冷静に判断すべきではないか」「地方組織をどう強化するか」といった質問・提案があった。

 最後の決意表明で、前原候補は民進党が危機的状況にあると指摘したうえで「今回の代表選は民進党再生のラストチャンスだ」と強調し、「しっかりと過去の間違いの総括をし、そしてわれわれがしっかりしなければ、自民党の暴走を止める政党がなくなり、日本の民主主義は壊れる。その危機感をもとに先頭に立って党再生に頑張っていきたい」と力を込めて訴えた。 

玉木雄一郎候補

玉木雄一郎候補(同)

 玉木候補は、「民進党には素晴らしい議員、地方議員、支えてくれる党員・サポーターがいる。この皆さんの力を足し合わせて、足し合わせた以上の力を出せる組織に民進党を変えていきたい。民進党がつくる社会、民進党がつくる日本は、まさに支えあい心を通わせることによって、もっともっと力を発揮できる素晴らしい日本になる。その先頭に立ちたい」と熱く語った。

 蓮舫候補は、「何もないところから私たちは始めてきた。55年体制ではない、政権交代可能な、それはすなわち国民主権、皆さんが選択できる2大政党をつくるんだという先輩たちの姿勢を消してはいけない。もう1回あらがいたい。もう1回私たちの政策、言霊をもってしっかりと批判から創造の国をつくりたい。そのために民進党のトップに立ちたい」と力説した。 

 司会進行は代表選管委員の吉川沙織、難波奨二の各選管委員が務めた。