7月22日の任期満了に伴い行われる東京都議会議員選挙(公認候補一覧は下記および一覧参照)。民進党はどのように戦うのか。東京都連会長の松原仁衆院議員に話を聞いた。(取材 昨年12月27日)
■「東京マニフェスト」を掲げる
4年に1度の選挙の意味は、民進党としてこの4年間の実績を顧みながら新たに何をするべきか考えること。都連の政務調査会を中心にして2月をめどに「東京マニフェスト」をつくっていきたい。具体的な内容は従来から訴えている「共生社会」や「未来への責任」、東京オリンピック・パラリンピックを最小費用で最大効果を上げるなど。豊洲市場への移転については、情報公開も含めて安全性が確認されない限りは認めない。安全性の確認は極めて高度な議論だが、こういうことも訴えていく。
■小池都知事との戦略的パートナーシップ
都政の最大の関心事は、昨年の都知事選で自民・公明両党の推薦候補ではない新しい知事が生まれたこと。政党に依存しない知事が生まれるという、まさに都民の思いの発露があったと認識しており、極めて重要な出来事だ。われわれは小池都知事に協力する方向で考えており、どのように協力するかが大きなテーマになる。
われわれの目指す改革の方向性と小池都知事が考えている改革の方向性はあまり違わないという認識は、多くの都議会議員や関係者が持っている。小池都知事がマスコミなどが言う「小池新党」をつくるのかが大きな問題になってくる。小池都知事が新党をつくれば、われわれ民進党も政党だから、政党対政党の付き合いをどうするかという議論になるし、都議選に向けてのさまざまな組み立てが変わってくる。
■他の政党との連携
いま自民党が60議席、公明党が23議席。127の議席のうちの83議席を握っていた自民・公明が東京都政で仲たがいをしている。「白山通り無電柱化計画」でいちょう並木の一部を伐採することに住民説明会を求めるという陳情があり、自民党が反対する中、公明党と民進党が音頭を取ってこの陳情を趣旨採択(※)した。これは従来の都政になかった状況だ。しかし、夏の都議選が終わった後に自民・公明が距離感を保つ状況が続いているかは分からない。そう考えると、自民・公明を過半数を割る63議席以下にしなければいけない。公明が現状の議席を保つとするならば自民を40議席以下にしなければいけない。従って、民進党と他の野党勢力との協力もあるが、小池都知事が新党を作るならば、われわれが中心となってさまざまな諸派を合わせて64議席を取ることが大戦略になる。小池新党とできるだけ共通の政策をつくることを模索することが戦略的に求められる。
■民進党単独の議席目標
民進党単独では24、5議席から30議席を目指す。高めの設定だが、それくらいは頑張っていかなければいけない。各選挙区でできれば1人は当選させたい。
■現実的な政治をできる政党として
今の自民党政権に対する国民の批判は、色濃いものがある。多くの都民に自民党政権の問題点や都政の課題を認識していただき、民進党は頼りになる政党と思っていただかなければならない。いまは民進・公明が大胆な戦略的連携をして物事を進めている姿を多くの都民に見てもらう。
民進党が政策課題を解決するなかで、現実的な政治をできる政党だと今年の都議選まで見ていただくことこそが短期的な目標だ。そうすることにより大きな信頼を勝ち得ていきたい。いまの民進党は、かつての民主党が単独で54議席を取れた環境とは違うため、小池新党や他の政党と連携した多数派の中で理想を実現する。
(※)陳情の願意は妥当であるが、その実現性について当分の間は不可能である場合、「趣旨には賛成である」という意味の議決
(民進プレス改題20号 2017年1月20日号より)