井坂信彦衆院議員は27日、衆院予算委員会での2016年度第3次補正予算に関する質疑に立ち、(1)残業時間の上限規制(2)インターバル規制(3)高度プロフェッショナル制度および裁量労働制(4)同一労働同一賃金の実現――について質疑を行った。
井坂議員は、政府が残業時間の上限を月80時間とする方向で調整しているという報道を念頭に「過労死の観点からも、家庭との両立の観点からも、生産性のアップという観点からもまったく不十分だと思う。総理は80時間でもこの3つの目的は果たせると考えるのか」と質問。安倍総理は「まだ、80時間とは決まっていない。仮定の質問には答えられない」と自身の考えを述べることを避けた。
同一労働同一賃金について井坂議員は、昨年末に官邸が発表した何をすれば違法になるのかを示したガイドラインについて取り上げ、「ガイドラインは法的拘束力はまったくない」と述べた。そのうえで、「パートや派遣社員、契約社員と正社員とでどういう差別をしてはいけないかということを具体的に法律に書き込む必要がある」と主張し、民進党がすでに具体化し提出している同一労働同一賃金法案の審議をするように安倍総理に求めた。
これに対し安倍総理は、「議員立法の審議はまさに国会で決めること。国会の運営について、行政府の長である私が口を出すのは厳に慎めと言われているので厳に慎みたい」と逃げの答弁をした。
井坂議員は民進党の対案を審議することから逃げる安倍総理に対し、「政府、与党が出すよりも先に長時間労働の規制法、同一労働同一賃金法をわれわれが出してきた。残念なのは出したら出したで今度は審議してもらえない」と批判。「総理は対案を出せ出せと言うが、実は単に批判のための批判として言っていることになりかねない。ぜひ、長時間労働規制法案、同一労働同一賃金実現法案、われわれの法案を審議してほしい」と強く要望し質疑を終えた。