衆院予算委員会で27日、2016年度第3次補正予算の基本的質疑が行われ、小川淳也議員は文部科学省による天下りあっせん問題を厳しく追及した。

 今回の事案をめぐっては、「最大の問題は人事課が『もぐり』であっせんをしていたこと。水面下にもぐらせるためにOBを活用し、虚偽の回答をし、相手方に口裏合わせまで要求をしていた。悪事の限りを尽くしている」と厳しく非難。天下りのあっせんを行っていた元人事課長であるR氏について文科省は24日、民進党に対し「R氏がどのようにして生計を維持していたかについては、文科省として関与していない。文科省として退職後に何らかの給与・謝金等を支出してたことはない」との回答書が出していることから、R氏が代表を務める「一般社団法人文教フォーラム」と、複数の文科省OBが役職員として在籍、巨額の公金が投入されている「公益財団法人文教協会」との関係をただしたところ、松野文科大臣は「フォーラムは協会の分室に所在している」「フォーラムの事務所の賃料は協会が負担し、フォーラムの理事長が協会の参与に就いていた」と答え、両者の密接な関係性を認めた。

 小川議員は「極めて巧妙な組織ぐるみのものだ。丸抱えだったのではないか。ボランティア精神に満ちたOBが1人いたという生やさしい話ではなく、関連の公益法人が国家公務員法改正以降だけで約1億5千万円の公金を投入している。これを少なからず財源にし、元文科省OBの高官と密接に通じて分室まで設け、天下りのあっせんを専業としてやらせていたというのが実態に近いのではないか」と指摘、真相を究明したうえで同委員会にも報告するよう求めた。

 小川議員は、参考人要求していた歴代の人事課長の出席がお昼の理事会で認められたことから、休憩後再開された基本的質疑の最後に再質問。文科省からの回答文書にある「R氏のあっせんは2008年の国家公務員法改正を受け、2009年7月頃から開始された」との記述を受け、2009年から2010年にかけて人事課長を務めた常盤高等教育局長にR氏のあっせん行為、人事課の加担を含めてこうした事実があったどうかをただした。

 これに対し常盤局長は「現在文科省で全容解明のための調査を行っているので、調査がまとまったら答える」と不誠実な答弁に終始。小川議員は「政策について聞いているのではない。違法行為や、規範にもとる行為があっても一切聞けないということでは行政をただすことは不可能だ」と指摘し、委員長に対し委員会としてのルールを整理するよう求め質問を終えた。

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